<不定愁訴と口腔ケア>自律神経の乱れと唾液成分との関連性に関する研究――花王

花王株式会社のパーソナルヘルスケア研究所・生物科学研究所・解析科学研究所は、8月20日、唾液中のタンパク質が少ない更年期女性は、無気力で疲れやすい・肩がこる・眼が疲れるなどの“不定愁訴”と呼ばれる身体の不調を自覚している傾向が認められたと発表した。

同研究所は、オーラルケアに関して、口内環境を健康に保つ唾液機能の重要性について研究しており、これまでにも更年期やストレスなどを原因として自律神経機能の乱れが起こり、のぼせ・ほてり・疲労感・イライラなどの“不定愁訴”と呼ばれるさまざまな身体的な不調と口腔の不調が関連することを明らかにしてきた。

これまでの知見より、唾液腺もほかの臓器と同様に自律神経の支配下にあることから、自律神経機能の乱れにより量や成分などの唾液性状が変化し、口内環境が変化する可能性が考えられる。
しかし唾液性状、特に成分と、自律神経機能や“不定愁訴”との関連性についてはほとんど調べられていないため、今回、同社は自律神経機能の乱れが比較的多いと考えられる更年期女性(45~55歳)50名を対象に、調査研究を行った。

検討の結果、自律神経機能の乱れにともない、唾液中のタンパク質1479種中で、下記3種のタンパク質が特異的に減少していることがわかった。また、これら3種のタンパク質は、おもに抗菌や解毒作用など健康維持に関わるはたらきが知られているものだった。

さらに、これら3種の唾液中のタンパク質が少ない更年期女性は、無気力で疲れやすい・肩がこる・眼が疲れるなどの“不定愁訴”と呼ばれる身体の不調を自覚している傾向が認められた。

【研究結果】
更年期女性(45-55歳)50名を対象に、身体的自覚症状および自律神経機能と唾液成分の変化に関する調査を行ない、次の結果が得られた。

1)自律神経機能によって特定の唾液タンパク質が変動する
検出された1479種の唾液タンパク質成分量と交感神経活動度(LF/HF)との相関分析を行なった結果、唾液量に関係なくLF/HFと負の相関(交感神経活動の亢進により減少)する唾液タンパク質成分は3成分でした。これらの成分は、おもに抗菌や解毒作用などの健康維持に関わるはたらきが知られている成分だった。

2)更年期に見られる自覚症状の有無は特定の唾液タンパク質濃度に影響する
そこで交感神経活動度(LF/HF)と相関した唾液タンパク質成分3種と更年期に見られる自覚症状との関連性を解析した結果、「無気力で疲れやすい」「肩がこる」「眼が疲れる」などの自覚症状がある者は、唾液量に関係なく、これらの成分が低いことがわかった。

以上の結果は、自律神経機能の乱れが、“不定愁訴”と呼ばれる身体の不調のみならず、唾液機能の低下を介して口内環境にもさまざまな影響を与えることを示唆している。また、ストレスの多い現代社会においては、より健康な口内環境に整えるオーラルケアを検討することが必要と考えられる。

【参考】
<日本人女性の更年期症状評価>
1.顔や上半身がほてる(熱くなる)
2.汗をかきやすい
3.夜なかなか寝付かれない
4.夜眠っても目をさましやすい
5.興奮しやすく、イライラすることが多い
6.いつも不安感がある
7.ささいなことが気になる
8.くよくよし、ゆううつなことが多い
9.無気力で,疲れやすい
10.眼が疲れる
11.ものごとが覚えにくかったり、物忘れが多い
12.めまいがある
13.胸がどきどきする
14.胸がしめつけられる
15.頭が重かったり、頭痛がよくする
16.肩や首がこる
17.背中や腰が痛む
18.手足の節々(関節)の痛みがある
19.腰や手足が冷える
20.手足(指)がしびれる
21.最近音に敏感である

◎花王
http://www.kao.com/jp/

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