< 「終の棲家」実態調査 >8割が子による介護を望まず――民間調査

シンクタンクのオウチーノ総研は、5月27日、「終の棲家」に関する実態調査の結果を発表した。

高齢化社会の進展にともない、特に東京など都会では1人暮らしの高齢者高齢者夫婦のみの世帯が多くの割合を占め、介護施設や介護サービスのニーズも高まりを見せている。
調査は、これから老後を向かえる人たちの本音として、自宅以外で老後を過ごすことや子どもと離れて老後を過ごすことをどう考えているのかを探ることを目的に実施した。
その結果、65.9%が終の棲家を自宅と考えており、66.3%は子どもとの同居を望んでいないことがわかった。また、81.1%は子どもに介護されることを望んでいないという結果となった。

【調査の概要】
■調査の対象:東京都に暮らす50~69歳の男女556名
■調査方法:インターネットによるアンケート調査
■調査期間:2014年5月15日(木)

調査の結果は、以下のとおり。

■65.9%が「自宅を『終の棲家』としたい」と回答
「あなたはどこを『終の棲家』としたいと考えていますか?」という質問をしたところ、「自宅」と回答したのが65.9%、「老人福祉施設老人ホーム」が9.9%、「サービス付き高齢者向け住宅」が13.8%、「その他」が10.4%だった。高齢化が進む現代、高齢者向けの施設やサービスは多様化を見せている。その一方で、「自分の家で最期を迎えたい」という思いを持つ高齢者が多いこともまた事実のようだ。

「自宅」を選んだ人に理由を聞いてみると最も多かったのが、「一番落ち着けるから」(59歳/男性)で、一番心安らげる場所で余生を過ごしたいと考える人が多いと思われる。次に多かったのが「住み慣れた場所だから」(64歳/男性)で、「自宅で一生を終えたいから」(60歳/女性)、「気兼ねなく住めるから」(51歳/男性)、「一番思い入れがあるから」(52歳/女性)が続いた。
老人福祉施設老人ホーム」を選んだ理由は、「家族に迷惑をかけたくないから」(62歳/女性)という回答が最も多く、次に「安心できるから」(60歳/男性)が続いた。
「サービス付き高齢者向け住宅」を選んだ理由で最も多かったのは「安心感があるから」(60歳/女性)で、「ある程度自立した環境で、必要なサービスを受けられるのが理想的だから」(52歳/男性)という回答が続いた。

■66.3%は、老後の子どもとの同居を望んでいない
子どもがいる人(350名)に、「あなたは老後、子どもと同居したいと思いますか?」という質問をしたところ、「同居したい」と回答したのが10.8%、「どちらかというと同居したい」が22.9%、「どちらかというと同居したくない」が28.6%、「同居したくない」が37.7%となり、「どちらかというと同居したくない」と「同居したくない」を合わせると66.3%で、半数以上が子どもとの同居を望んでいないことがわかった。

「どちらかというと同居したくない」「同居したくない」を選んだ理由として最も多かったのは「気楽に暮らしたいから」(67歳/男性)や「自由に暮らしたいから」(53歳/男性)で、子どもやその家族に気を遣わず自分たちの自由に暮らしたいという理由だった。次に多かったのが「子どもに迷惑をかけたくないから」(64歳/女性)で、「生活リズムが合わないから」(55歳/男性)、「面倒だから」(50歳/女性)が続いた。また実体験として、「自分が同居で苦労したので、同じようになりたくないから」(55歳/女性)といった声もあがった。一方で、「子どもとはスープの冷めない距離で暮らしたい」(64歳/女性)、「適度な距離の所に住んでほしいとは思う」(61歳/男性)など、同居はしたくないけれど子どもには何かあった時に頼れる距離にいて欲しい、という意見もあった。
一方、「同居したい」「どちらかというと同居したい」と回答した理由として最も多かったのは、「身近にいてくれる方が安心だから」(65歳/女性)という意見で、次に「にぎやかに暮らしたいから」(62歳/男性)が続いた。

■81.1%は、子どもに介護されることを望んでいない
子どもがいる人(350名)に、「あなたがもし介護が必要になったら、子どもに介護して欲しいと思いますか?」という質問をしたところ、「して欲しい」と回答したのが2.9%、「どちらかというとして欲しい」が16.0%、「どちらかというとして欲しくない」が39.4%、「して欲しくない」が41.7%だった。「どちらかというとして欲しくない」と「して欲しくない」を合わせると81.1%もの人が子どもに介護されることを望んでいないことがわかった。

「してほしくない」「どちらかというとしてほしくない」を選んだ理由で突出して多かったのが「迷惑をかけたくないから」(61歳/女性) や「 面倒をかけたくないから 」(65歳/女性)、「 負担をかけたくない 」(62歳/男性)という意見で、親子関係とはいえ 、自分の介護が彼らの負担になることを心苦しく感じる人が多いようだ。
次に多かったのが「介護のプロにお願いしたいから 」(59歳/男性)、「 施設に入れるなら そちらに世話なりたいから」」(59歳/男性)という意見。 その理由としては様々だが、「気をつかわせたくないから 」(54歳/女性)、「介護は大変だから」(64歳/女性)といった子どもを気づかう声や、「介護の負担が親子関係をいびつなものにしてまうこともある から」(61歳/男性)、「介護はお金を出して人に頼んだ方が上手くいくから」 (65歳/女性)といった親子関係に配慮する声などがあがった。
また、「自分が親の介護をして色々経験したが、自分の子どもたちだけはあんなを苦労させたくい」(62歳/女性)などをあげた人もいた。一方、「娘の住まい近くで完全看護のところに住むが理想」(58歳/男性)、「介護施設に入ってお見舞いに来てもらいたい」(63歳/女性)など 介護は専門の施設・サービスに依頼しつつ、 子どもとの関係を持ち続けるのが理想だという声もあった。

「してほしい」「どちらかというとしてほしい」と回答した人の理由は、「子どもに看てらえた方が安心できるから」(55歳/女性)という意見が最も多かった。 その一方、「 迷惑をかけるつもりははないのでむりのない範囲で看てほしい」 (55歳/女性)、「 すべてではないが、 できる範囲で世話をしてほしい 」(63歳/男性)といった声もあがり、子どに介護をしてもらいたいと思う反面、子どもへの負担を懸念する人も多いようだ。

◎オウチーノ総研
http://corporate.o-uccino.jp/

介護食の基礎知識

介護のキホン

介護シーン別に基礎を知る

みんなが注目する基礎知識

要介護度とは?

要介護度とは?

介護度は7段階に分かれていて、要支援1・2、要介...

介護度別ケアプラン事例

介護度別ケアプラン事例

<要支援1>支給限度額49,700円、自己負担額...

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービスは曜日によって利用者が異なり、雰囲気...

家族で話し合おう

家族で話し合おう

家族で話し合おう...

介護用語を調べる

頭文字から探す

 
 
     
 
         
A B C D E F G H I J K
L M N O P Q R S T U V
W X Y Z              

キーワードから探す

このページのトップへ