7月17〜18日の2日間、東京国際フォーラム(有楽町)にて、高齢者に便利なサービス等を紹介する「オヤノコトエキスポ2010」が開催された。
この催しは2008年から始まり3回目。「そろそろ親のことが気になる」という30〜50代の子世代がターゲットだ。事務局によると、今年のテーマは「歳を取ることを新しい価値ととらえ、世代間のコミュニケーションの活性化を通して新しい消費文化を創り出す」こと。
オヤノコト世代、オヤノコト市場の創出といった造語を用い、高齢者・障害者向けサービスを「親孝行」の一形態として展示しているのが特徴だ。
展示ゾーンは「暮らし」「お出かけ」「聴こえ」「介護・車いす」「食べる」「施設・お住まい探し」の6つ。
「暮らし」ゾーンでは、住宅リフォーム(ミサワホーム)や安否確認(セントラル警備保障)、食事宅配サービス(ワタミ)、車いす移動が楽な旅行プラン(JTB)などのほかにも、基礎化粧品メーカーが肌チェックを行ったり、鍼灸接骨院が腰痛対策を講義したりと、親世代・子世代問わず関心の高いユニークな展示があった。
デモンストレーションで注目を集めたのは、使いやすい携帯電話(NTTドコモ)やインターネット通話(ダイヤル・サービス)、テレビを利用したスカイプ通話(パナソニック)の提案。いずれも離れて暮らす親子のコミュニケーションを意識したもので、若い世代を中心に賑わった。
一方で、補聴器メーカーが一堂に会した「聴こえ」のゾーン、相続についての無料相談コーナー、医療系の有料老人ホーム紹介には中高年世代の関心が高く、ブースでじっくりと話を聞いていく姿が目立った。
ユニークだったのは、葬儀関連の企業が合同企画した「エンディングを考えるコーナー」。現代的デザインの仏壇、骨壷やペンダント形の手元供養をはじめ、家族葬や自然散骨といった比較的新しい形態の葬儀の提案があった。
夫婦で来場したという60代女性は「一人暮らしの母を支えるヒントを探しに来たが、夫が亡くなった後の自分のことと重なる」と、熱心に資料を集めていた。
「オヤノコト.エキスポ」は昨年は2万人が訪れ、今年はそれを上回る見込み。これまでの開催では、50〜60代の来場者が3割、70〜80代が2割となっている。
オヤノコト.エキスポ2010リポート(2)へ続く