産業用ロボットなどで知られる株式会社安川電機は、2月20日、介護ベッドと車椅子間における介助者による抱え上げ支援をサポートする移乗アシスト装置を開発したと発表した。開発は経済産業省のロボット介護機器促進事業の一環として行っているもので、今後、介護施設や評価機関において安全性や実用性の実証評価を行い、2016年度に製品化を予定している。
移乗アシスト装置は、介護施設における介護ベッドと車椅子間の移乗介助を想定しており、介護者への負担が大きく腰痛などを発症する原因となる、介護リフトは時間がかかる、車椅子座面の深い位置に座れず、移乗後に行う動作に適した姿勢が取りづらいなどの課題を解決することを目的に開発した。
同装置は、パワーアシストを採用し、介助者に負担を与えない移乗を可能にするほか、スリングシートを活用することで要介護者の体型にかかわらずアームでのリフトアップができることなどが特徴。移乗後に要介護者が正しい姿勢で座れるよう、骨盤の傾斜制御も行うという。
■主な特長
・介助者1人で移乗が可能、移動や操作も簡単にできる
移乗開始から終了まで介助者が1人で要介護者をベッドから車椅子に移乗することが可能。また、全方向移動キャスターでベッド間や居室間の移動が自由自在にでき、小型の操作ペンダントで簡単に操作することができる。
・介助者に介護の負担を与えない
装置による抱え上げなどのパワーアシストで、介助者の負担を軽減。スリングシートを活用し、要介護者の体型にかかわらずアームでのリフトアップが可能。
・次の動作に移りやすい姿勢を制御
要介護者が正しい姿勢で座れるよう、骨盤の傾斜制御を最適に行い、移乗後に行うさまざまな動作に適した姿勢がとれるよう制御する。
◎安川電機株式会社
https://www.yaskawa.co.jp/