厚生労働省は、12月19日、平成24年国民健康・栄養調査結果の概要を発表した。
国民健康・栄養調査は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料として、国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため、毎年実施している。平成24年は重点項目として、平成9年以降5年ごとに行っている糖尿病有病者等の推計人数及び体格や生活習慣に関する地域格差を把握した。
今回は、平成22年国勢調査の調査区から、無作為抽出した475地区内の24,555世帯を対象として実施し、有効回答が得られた12,750世帯について集計した。
調査の結果から、平成9年以降増加していた糖尿病患者と予備軍が初めて減少したことがわかった。
また、体格や生活習慣に関する都道府県の状況も明らかにした。
・糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)は約950万人、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)は約1,100万人と推計される。
・糖尿病が強く疑われる者と糖尿病の可能性を否定できない者を合わせると約2,050万人と推計され、平成9年以降増加していたが、平成19年の約2,210万人から初めて減少に転じた。
・糖尿病が強く疑われる者の割合は、男性15.2%、女性8.7%であり、平成19年と比べて男性は変わらず、女性は増加している。糖尿病の可能性を否定できない者の割合は男性12.1%、女性13.1%であり、平成19年と比べて男性は変わらず、女性は減少している。
・糖尿病が強く疑われる者のうち、現在治療を受けている者の割合は、男性65.9%、女性64.3%で、男女とも毎回増加している。
体格(BMI)及び主な生活習慣の状況について、都道府県別に年齢調整を行い、高い方から低い方に4区分に分け、上位(上位25%)群と下位(下位25%)群の状況を比較した結果、BMI、野菜摂取量、食塩摂取量、歩数、現在習慣的に喫煙している者の割合(男性)で、それぞれ上位群と下位群の間に有意な差が見られた。
男性(20~69歳)全国平均23.6 上位群24.2 下位群23.1
平均値が高いのは、長崎県、青森県、沖縄県
平均値が低いのは、三重県、岐阜県、福岡県
女性(40~69歳)全国平均22.5 上位群23.3 下位群22.0
平均値が高いのは、沖縄県、長崎県、高知県
平均値が低いのは、三重県、神奈川県、岐阜県
男性(20歳以上)全国平均297 上位群332 下位群264
平均値が高いのは、長野県、島根県、新潟県
平均値が低いのは、愛知県、北海道、徳島県
女性(20歳以上)全国平均280 上位群310 下位群253
平均値が高いのは、長野県、島根県、東京都
平均値が低いのは 愛知県、奈良県、滋賀県
男性(20歳以上)全国平均11.3 上位群12.2 下位群10.4
平均値が高いのは、岩手県、長野県、山形県
平均値が低いのは、沖縄県、高知県、大阪府
女性(20歳以上)全国平均9.6 上位群10.3 下位群8.8
平均値が高いのは、岩手県、長野県、埼玉県
平均値が低いのは、沖縄県、大阪府、佐賀県
男性(20~64歳)全国平均7,791 上位群8,308 下位群6,829
平均値が高いのは、兵庫県、福島県、埼玉県
平均値が低いのは、宮城県、和歌山県、鳥取県
女性(20~64歳)全国平均 6,894 上位群7,295 下位群6,278
平均値が高いのは、千葉県、静岡県、京都府
平均値が低いのは、秋田県、北海道、宮崎県
男性(20歳以上)全国平均33.2 上位群37.9 下位群28.5
割合が高いのは、福島県、青森県、北海道
割合が低いのは、神奈川県、奈良県、滋賀県
◎厚生労働省
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