都内の特養でノロウイルスによる集団感染が発生したことは、CMOニュースでもすでにお届けした。ノロウイルスは一人感染すれば、あっという間に家族や施設中に広がる、きわめて感染力の強いウイルス。
毎年、冬の次期に特に流行することから、12月7日、日本医師会では、ホームページ上で、「ノロウイルスにご注意を!」と呼びかけ、具体的な予防法等を紹介している。
■ノロウイルス感染症(ロタウイルス):
感染経路(発生時期):感染した人の便や吐物に触れたり、乾燥して霧状化したものを吸い込むことで感染する。また、ウイルスや細菌が付いた食べ物などを口にしたり、トイレで、便中に排泄されたウイルスが、便器やトイレのドアノブを触った手を経由して感染する。
ウイルスに汚染された食品を介しての感染例もあり、冬季から春先に多く発生する。
■症状:嘔吐と下痢が主な症状で、ロタウイルスに罹患した乳幼児は下痢便が白くなることもある。多くは2~7日で治るが、脱水、まれにけいれん、脳症などを合併する。
■治療法:有効な治療薬はなく、安静が第一。嘔吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応なので、むやみに市販の下痢止めなどの薬を服用せずに、早めにかかりつけ医を受信する。
■予防法:うがいや手洗いなどの一般的な予防法が有効。ノロウイルスはまだだが、近年、ロタウイルスのワクチンが任意予防接種として開始されている。
■感染拡大予防法:ウイルスがついた水や食物、手を介して、またはそこから飛び散って感染するので、感染した人と接触した場合は、手洗いをすること。ノロウイルスはアルコール消毒は効果がないので、流水下で石鹸を使って手洗い。食器などは、熱湯(1分以上)や水で薄めた塩素系漂白剤で洗浄する。食品は85℃、1分以上の加熱が有効。
■身近でできる感染予防法(吐物・下痢):
吐物の掃除は、感染の可能性があるため、ゴム手袋を(できればマスク、ゴーグルなども)着用し、ペーパータオルや使い古した布で拭きとる。拭きとったものはビニール袋に二重に入れて密封して廃棄する。吐物の処理後に便や吐物の付着していた箇所は市販の塩素系漂白剤を薄めたもので拭き消毒し、処理後には、流水で手を洗う。
◎ノロウイルスに関するQ&A(最終改定:平成25年11月20日)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
◎日本医師会
http://www.med.or.jp/