内閣府消費者委員会は、8月6日、詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議を行った。
近年、言葉巧みに投資話などを持ちかけ、消費者から金銭をだまし取る「詐欺的投資勧誘」のトラブルが多発。全国消費生活情報ネットワーク・システムによるとトラブルの相談件数は、平成21年度の約5000件から24年度は約1万6000件に増加。支払金額は100万円以上が約5割、500万円以上が全体の約1/4で、契約者の約7割を65歳以上の高齢者が占めている。
内閣府消費者委員会では、高齢化が進む日本において詐欺的投資勧誘による被害を防止し、高齢者が安心できる生活環境を整えていくことは「行政が早急に取り組まなければならない喫緊の課題」と捉え、警察庁や消費者庁、厚生労働省など関係省庁に対策強化するよう建議を行い、各大臣に対し、それぞれの対応について平成26年2月までに実施状況の報告を求めた。
建議の内容は、警察庁に対して取り締まりの強化、消費者庁に対して事業者に対する勧告・命令など措置の徹底、総務省に対して犯罪のツールとなる携帯電話の本人確認の徹底、消費者庁や厚生労働省に対して消費者への注意喚起及び高齢者の見守りの強化など。
そのうち高齢者支援に関係するものは以下の通り。
・消費者庁は、消費者行政部局に加え、地域包括支援センター、介護支援専門員、民生委員など高齢者と身近に接する者や、都道府県警察、消費者団体、事業者団体が高齢者への注意喚起・見守りを連携して行う体制の普及に努めること。
・消費者庁は、高齢者の二次被害を防止するため、高齢者宅に通話録音装置を配置して情報・証拠を収集する取り組みを進め、全国展開を検討すること。
・厚生労働省は、精神上の障害によって判断能力が不十分な者の財産管理や契約を支援するため、市民後見推進事業の周知を積極的に行うこと。
・厚生労働省は、精神上の理由で日常生活を営むのに支障がある者の金銭管理を支援するため、地方自治体への助成などを行い、日常生活自立支援事業の普及に努めること。
◎内閣府
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