秀和システムから、竹内孝仁国際医療福祉大学大学院教授監修による『介護の生理学―自立支援介護の実践のために知っておきたい理論と技術』が、3月に発行された。
要介護者本人の自立支援のため、また国の施策としても、今、これまでの「食事の手伝いやおむつ替えなど誰でもできる単純な介護」ではなく、食事や排便を自分でできるように支援する、より質の高い自立支援介護が求められている。
そうした質の高い、自立支援介護を実践するには生理学の知識が不可欠だが、適当な入門書が見あたらないのが現状だった。同書は、自立支援介護とはなにか、水分のケア、食事のケア、排泄ケア、歩行のケア、認知症ケアなどを生理学的観点からわかりやすく解説。
水・食事・排便・運動など高齢者の自立性回復を目的とした、自立支援介護の実践のために知っておきたい介護生理学の入門書として、介護に携わるすべての専門職必読の書となっている。
内容は、介護の力でADLを回復させるために、介護者や周囲の協力者が知っておくべきこと、実践すべきこと(おむつはずし、常食、自力歩行)を網羅。生活すべての自立性が向上する、生理学に基づくケアの実践的知識が詰まっている。
■目次:
第1章 自立支援介護と生理学
1-1 自立支援介護とは
1-2 高齢者ケアの基本
第2章 水の生理学
2-1 水の重要性
2-2 水分が欠乏すると起こること
2-3 体の中の水のはたらき ほか
第3章 食事ケアの生理学
3-1 食生活の回復
3-2 自分で食べることの大切さ
3-3 口腔機能とは ほか
第4章 排泄ケアの生理学
4-1 排泄の考え方
4-2 排便をトイレで行うための4つのケアと戦略
4-3 排便のしくみ ほか
第5章 歩行の生理学
5-1 歩行はADLの基礎
5-2 自立支援介護における「歩行」の重要性
5-3 なぜ歩けなくなるのか ほか
第6章 認知症ケアの生理学
6-1 認知症のケアの問題
6-2 認知症の成り立ち
6-3 最近の認知症研究から ほか
■価格:1,995円(税込)
■仕様:256ページ
■発行:秀和システム
◎秀和システム
http://www.shuwasystem.co.jp/
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