東海北陸厚生局は、12月3日、愛知県と静岡県で、高齢者医療を中心に療養型病床を有する病院と介護事業を運営する豊岡会の2病院の保険指定取り消しを発表した。
処分を受けたのは、医療法人豊岡会 はまなこ病院と医療法人豊岡会 岡崎三田病院で、処分の理由は療養病棟入院基本料の施設基準違反による不正請求と虚偽報告。
11月30日に開催された東海北陸地方社会保険医療協議会に諮問した結果、決定した。処分はいずれも2013年3月1日付けで、原則としてこの日より5年間保険医療機関の再指定を受けられず 保険診療ができなくなる。
医療法人豊岡会は、HPに今回の処分についてのコメントを掲載し、処分日までの診療継続と2病院の譲渡先を探すことを明らかにした。
同医療法人は、2011年11月、運営する複数の介護保険施設にて、人員基準違反による介護報酬の過大請求を行っていたことが判明し、現在も行政機関・利用者に過大請求分の返還・返金をしている。
今回の保険医療機関の指定取り消し以降も、2病院以外の病院と介護施設の運営を継続することを明言しているが、杜撰な管理体制が改められるのか、注目したい。
【処分の概要】
1.医療法人豊岡会 はまなこ病院
■所在地:静岡県浜松市北区三ヶ日町都筑3664-9
■運営者:医療法人豊岡会(理事長 鈴木道生)
■処分の原因
・不正請求
療養病棟入院基本料の施設基準要件である看護要員の1人あたりの月平均夜勤時間数が72時間以下であることとの要件を満たしていないにもかかわらず満たしているとして、実際の勤務実態とは異なる虚偽の届出を行い、診療報酬を不正に請求し、一部負担金を受領していた。
・虚偽報告
入院基本料等に関する実施状況報告書において、施設基準要件を満たしていないにもかかわらず満たしているものとして、虚偽の報告を行っていた。
■不正請求額
(監査対象期間:2006年7月~2011年11月診療分)
不正請求 506 名(実質503 名) 2,092 件(実質2,092 件)
488,629,998 円
2.医療法人豊岡会 岡崎三田病院
■所在地:愛知県岡崎市欠町三田々北通15-1
■運営者:医療法人豊岡会(理事長 鈴木道生)
■行政処分の原因
・不正請求
療養病棟入院基本料の施設基準要件である看護要員の1人あたりの月平均夜勤時間数72時間以下との要件を満たしていないにもかかわらず、2006年7月、2008年7月、2009年4月および12月に実際の勤務実態とは異なる虚偽の届出を行い、診療報酬を不正に請求し、一部負担金を受領していた。
・虚偽報告
入院基本料等に関する実施状況報告書において、施設基準要件を満たしていないのにもかかわらず、虚偽の報告を行っていた。
・不正請求額
(監査対象期間:2006年7月~2011年7月診療分)
不正請求 1,247 名(実質1,093 名) 7,893 件(実質7,893 件)
1,585,971,895 円