6月17日、青森・八戸大学で「介護従事者のための公開講座」が開催された。
この講座は、全国の介護現場で活躍する現職者を中心とした講師が、自身の現場での実践をもとに、受講者に本音でメッセージを語るというもの。5回目の今回は、「今こそ、原点回帰」をメインテーマに10の分科会が催された。
分科会はタイトルからしてユニークだ。
「『KOGAWAが説く!! 卍固め基礎固め(第2弾)』 ―会話が苦手?あんたは失格だよ!!―」(講師:訪問介護事業所ほっと水戸 代表・粉川 孝子氏)、「『リアル・ヘルプマンへのエール』 ―わたしたちを魅了したヘルプマンたちを讃え、エールを送りたい!―」(講師:漫画『ヘルプマン!』作者・くさか 里樹氏、講談社イブニング編集部『ヘルプマン!』担当編集者・鹿島拓也氏)、「『厚生労働省には教えてあげないよ!』 ―ホームヘルパーの面白さ―」(講師:共に介護を学びあい・励まし合いネットワーク・藤原るか氏)「激ヤバ企画が、ついに実現!! 介護職のパジャマdeトーク 私たち介護職が思うこと」など、一般のセミナーとはひと味違う講座であることが見て取れる。
くさか里樹さん(前列中央)を囲んでの打ち上げに集ったリアルヘルプマンたち
主催者の八戸大学人間健康学部准教授・篠崎良勝氏によれば、この講座は、「地域の介護力アップを目的に、『学ぶ研修』ではなく『感じる研修』を意図してスタートした」とのこと。青森近県に留まらず、関東などからの受講もあり、今年は300名を超える受講者を集めた。
中でも、受講後の満足度が高かったのは、「介護職のパジャマdeトーク」。介護職員、デイサービス職員、ケアマネなどの現職者8名と篠崎氏よる介護の仕事についての本音トークが繰り広げられ、サプライズゲストとして、スパリゾートハワイアンズ応援ソング「息吹」で知られるミュージシャンのAERIAL(エアリアル)が登場した分科会である。
このほか、介護現場を舞台にした社会派マンガ『ヘルプマン!』の作者・くさか里樹氏が、執筆のための取材を通して一般認識と実際の現場とのギャップに驚いたという体験談や、取材で耳にしたエピソード、出会った凄腕ヘルプマンについて語った分科会も高い満足度であったという。
節目となる5回目の講座を終えた篠崎氏は、「5回の講座でそれなりの足跡は残せたのではないか。これからは他の地域での開催も考えてみたい」と語った。
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