株式会社QLife(キューライフ)は、5月18日、「不眠症治療、不眠症治療薬の大規模調査」の結果を発表した。
同調査によると、不眠症の患者数はこの20年ほどの間に大幅に増加しており、その原因はストレスなどの心因性によるもののほかに、生活習慣病の合併症などによるものも多いと分析している。それにもかかわらず受診率は上がっておらず、多くの患者が医療機関を受診せずに、我慢したり、民間療法などに頼っていることが推察される。そこで今回、スリープ&ストレスクリニック院長の監修のもと、不眠症治療、不眠症治療薬に関するリサーチを行った。
調査期間は3月31日〜4月15日で、インターネットにより、6,044名から回答を得ている。そのうち、70代は247人(4.1%)、80代は15人(0.4%)だった。
同調査からわかったのは、不眠や睡眠障害による通院経験の有無にかかわりなく、治療や治療薬に対してのネガティブなイメージは根深く残っているということだった。その一方、一度医療機関を受診してみると、多くの患者が「不眠でわざわざ医療機関を受診するのは大げさではない」という考えに変わっている。このことから、治療の過程を通して不眠症への正しい知識が得られていると推察している。
高齢者の傾向を見ると、不眠に悩んだ経験がある人の割合は、男性は70代42%、80代60%、と平均(39%)よりやや高めだった。女性は70代78%、80代100%で、平均(46%)より1.7〜2倍以上も高かった。
受診率を見ると、70代女性は平均よりやや高めの48%だが、70代男性は57%と平均を10ポイント以上上回り、他の年代よりは受診率が高いことがわかった。
その他、同調査により明らかになったのは以下のとおり。
1)42%が不眠の症状に悩んだ経験があるものの、約7割が医療機関を受診しておらず、そのうちの半数が不眠の症状改善がないまま悩んでいる。医療機関にかからない理由は「深刻ではない」「不眠症治療や薬に対しての抵抗感」を挙げている。
2)医療機関受診者の半数がかかりつけ医にかかっており、約75%が医療機関受診で症状が解消されたと実感している。
3)患者は不眠症治療に「熟睡感」「即効感」「安全性」を期待している。約半数は処方変更を医師に求めた経験がある。
4)医療機関受診経験の有無にかかわらず、不眠治療には「副作用」「依存性の問題」など、ネガティブなイメージを抱いていて、治療中の患者でも不安をもちながら服用している。
5)処方された薬剤の上位5位は、「マイスリー」(20.1%)、「デパス」(14.3%)、「レンドルミン(13.4%)、「ハルシオン」(11.4%)、「ロヒプノール」(7.4%)。