社福も民間も同じ手法で分析?――社保審経営調査レポ(2)

5月29日の開催された第1回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(以下、経営調査委員会)では、10月に実施予定の介護事業実態調査(介護従事者処遇状況等調査)の調査項目の見直し以外にも、委員からさまざまな意見があがった。

調査結果の分析方法について、池田委員は「介護労働安定センターの調査によると、介護職員は約8割が時間給。月給、日給、時給に分けて分析しないと正確な結果は見えてこない」と指摘。また、池田委員は「介護は今後、大きなマーケットになるのに、もうからない仕組みになっているのがおかしい」とし、介護報酬だけでなく自費のサービスを組み合わせた「混合介護」があっていいと提案した。

社会福祉法人は内部留保が問題になっているが、千葉委員は「社会福祉法人はお金がないと心配で動けないというが、必要な運転資金はどのようになっているのか」と不透明にうつる社会福祉法人の経営について、一石を投じた。

藤井委員も、社会福祉法人と民間事業所を同時に分析することについて「社会福祉法人は予算主義。民間事業者と経営に対する考え方が違うのに、同じように分析していいのか」と疑問を投げかけた。また、収支の調査は「事業所の規模別・地域別・機能で見たほうがよい」と提案。これはたとえば、生活支援が8割を占める訪問介護事業所と、身体介護が8割を占める事業所では収支が違うはずだと指摘した。

村川委員は「地域密着型サービスはサービス内容が複雑で調査が難しいが、今後、育成・誘導されるべき重要なサービスなので、データを得るためにも調査してほしい」と要望。

池田委員は、「介護は新しい産業なので、他の産業のような(政府による)産業政策がないのが問題。安定した給与が支払えない零細企業が乱立している。今までの調査は事業部単位だったが、これを法人単位にし、経営がどのようになっているか知る必要がある」と述べた。また、「現在の介護サービスは規制が多く、事業所側が萎縮している。契約なのだから事前規制は不要にするかわり、何かあった場合は事後規制を厳しくしたほうがよい」と、介護が伸びる産業となるためには、自由なサービスや経営を行い、もっと利益をあげてもいいのではないかと新たな問題提起を行った。

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