消費者庁は、4月に起きた手指保護具(口腔用)の一部が破断する事故に係る注意喚起を5月15日、発表した。
4月11日、手指保護具(口腔用)(商品名:ゆびガード)の一部が破断して患者の口腔から体内に入り、医師がレントゲン、CT 、さらに内視鏡を用いて探したが発見できず、咽頭部に浮腫を生じ、窒息して死亡する事故が起きた。
事故の原因については現在調査中だが、当該製品は平成19年から平成24年4月まで、株式会社オーラルケアが製造し、歯科医療時や障害者支援施設、介護保険施設等での口腔内ブラッシングなどの際に、開口を保持するとともに、誤咬から指を守るものとして利用されている。
当該製品の破断事故は4件発生しているが、いずれも折れた破片をすぐに取り除き、人的被害は発生していない。同社は、当該製品の販売を一時停止するとともに、ホームページで注意喚起している。
消費者庁としては、同種事故の発生防止を図る観点から、「ゆびガード」について、4月24日付けで消費生活用製品安全法に基づく重大製品事故情報の製品起因が疑われる事故として、事業者名、製品名等を公表し、一般消費者向けに注意喚起をしている。さらに、当該製品を使用していると考えられる歯科医療機関、障害者支援施設、介護保険施設等に関しても注意喚起の必要があるとしている。
【事故の概要】
■発生日:平成24年4月11日
■製品名:手指保護具(口腔用)
■事業者名:株式会社オーラルケア
■被害状況:死亡1名
■事故内容:
施設内で当該製品を使用中、当該製品の一部が破断して患者の口腔から体内に入り、病院に搬送後、レントゲン、CT 、さらに内視鏡検査を行うも発見できず、施設に戻る。その後、容態が急変し、再度病院搬送、咽頭部に留まった破断した破片周辺に生じた浮腫による窒息による死亡が確認された。
【手指保護具(口腔用)(商品名:ゆびガード)の使用にかかる注意】
・事前にひび割れなどの外観上の異変がないことを確認の上使用すること。
・口腔ケア時などに製品が破損し患者の体内に製品の一部が入った時は、直ちに体内からの摘出処置を採ること。
・体内からの摘出ができなかった場合は、医療機関にて適切な処置を採ってもらうこと。
・当該製品はプラスチック(ポリカーボネート)であり、レントゲンにまったく写らないか、見分けが極めて難しい場合があるので注意すること。
・製品の使用に際して、不具合や不安がある場合には、製品事業者または販売事業者に相談すること。
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