矢野経済研究所は、このほど調査レポート『2012年版 嚥下食、咀嚼困難者食、検査食に関する市場実態と将来展望』を発刊した。
急速な高齢化や医療・介護財政の逼迫、予防医療の重視などで、日本の福祉と医療を取り巻く環境は大きく変化する中、医療・福祉現場では高齢者のQOLを重視する傾向はますます強まっている。なかでも、通常の食事が困難な患者や高齢者にとって食の充実は大きなテーマである。
同調査レポートでは、周辺環境の変化と新たな製品の市場投入で成長期にある「嚥下食」「咀嚼困難者食」「検査食」について、市場動向や参入企業動向、市場の見通しなどを総合的・多面的に調査・分析した。
嚥下食は、とろみ調整食品、ゲル化剤、デザートベース食品、水分補給食品の4カテゴリー、咀嚼困難者食は、きざみ食、ブレンダー食、その他(形そのまま、ゼリー等)の3カテゴリー、検査食は、大腸検査食について、それぞれの製品トレンド、メーカーシェア、参入企業の市場戦略などを詳細に分析。
また、それぞれの市場規模推移(2007〜2011年度)や市場規模予測(2012〜2015年度)も掲載。調査サマリーによると、2011年度の咀嚼困難者食市場は、メーカー出荷金額ベースで94億8000万円(前年度比112.2%)の見込み。咀嚼困難者食は、高齢者に多い咀嚼が困難な患者にとって非常に有用なもので、市場規模は2007年度以降、毎年前年度比110%を越えて順調な成長を遂げている。
2015年度の咀嚼困難者食市場は、メーカー出荷金額ベースで147億6000万円と予測。咀嚼困難者食は病院や福祉施設向けの製品として定着しており、高齢者や要介護者の増加を背景に順調に成長していく。また、今後在宅患者への普及が進めば、さらなる成長をとげる可能性をもつとしている。
■書名:『2012年版 嚥下食、咀嚼困難者食、検査食に関する市場実態と将来展望』
■著者:矢野経済研究所
■目次:
第?章 市場分析編
1.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食の市場概況
2.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食の市場規模推移
3.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食の市場構成比(2010年度)
4.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食のメーカーシェア
5.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食の研究開発、生産、流通、販売動向
6.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食の参入企業製品概況(製品一覧)
7.製品動向
8.価格動向(製品別実勢価格)
9.新規参入動向
10.企業提携動向(専門卸売企業との提携)
11.対象患者&ユーザー動向
12.在宅栄養市場&一般家庭市場動向
13.市場拡大要因・阻害要因
14.嚥下食、咀嚼困難者食、検査食の将来展望
第?章 参入企業個別実態調査編(29社)
■定価:
書籍 346,500円 (税込)
PDFレギュラー(事業所内利用限定版) 346,500円 (税込)
■発行:矢野経済研究所
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