一般社団法人日本産業・医療ガス協会は、在宅酸素療法を実施している患者居宅で、火災による死亡事例が3例追加公表されたと発表した。
在宅酸素療法とは、慢性呼吸不全の患者が、酸素濃縮装置(酸素を患者に送るためのチューブを含む)、液化酸素及び酸素ボンベ(以下、「酸素濃縮装置等」)を使って自宅で高濃度の酸素吸入をする治療法のこと。
酸素は燃焼を助ける性質が強いガスであるため、酸素濃縮装置等を火気に近づけない配慮が必要であり、その旨、添付文書や取扱説明書に記載されている。しかし、在宅酸素療法を受けている患者が、喫煙などが原因と考えられる火災により死亡する事故が繰り返し発生している。
同協会および厚生労働省は、これまでも注意を呼びかけてきたが、「在宅酸素療法を受けている患者やその家族等は、酸素吸入時にはたばこを吸わないこと」、また、「酸素濃縮装置等の周辺でのストーブ等の火気の取扱いについては改めて十分に注意してほしい」と再度呼びかけている。
■追加された死亡事例:
2011年4月 長野県 70代(女) 死亡(焼死) 煙草の不始末
2011年4月 岡山県 60代(男) 死亡(焼死) 煙草の不始末
2011年9月 和歌山県 70代(男) 死亡(焼死) (不明:ローソクか)
◎リーフレット「在宅酸素療法時は、たばこ等の火気の取扱いにご注意下さい」」
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