岡山県は、1月6日、同県倉敷市で訪問介護と障害福祉のサービスを手がける有限会社アカデミーに対し、障害者自立支援法の規定にもとづき、2月15日付けで事業者の指定を取り消すと発表した。
同事業所は、虚偽記録によって、現在分かっているだけでも概算で160万円を不正請求していた。また、同事業所は介護保険法に基づくサービスの指定も受けており、県は不正がなかったかさらに調べている。
利用者は昨年9月現在で16人おり、県、倉敷市は利用者に支障が生じないよう、指定取り消し日までにほかの事業所に移れるように指導をしていく。
■事業者名称等:
有限会社アカデミー
倉敷市児島味野1-9-5
■事業所名等:
まごころケア・ヘルパーステーション
倉敷市児島味野1-9-5
■サービスの種類:
・居宅介護(2006年10月1日指定)
・重度訪問介護(2007年1月1日指定)
■指定取消の主な理由:
【障害サービスにおける不正請求】
●不正請求
・サービス提供を行っていないにもかかわらず、外部者の名義を無断で使用して、家事援助等のサービスを提供したとして虚偽の記録を作成し、介護給付費を不正に請求・受領した。
・サービス提供を行っていないにもかかわらず、従業者がサービスを提供したかのように記録を作成し、介護給付費を不正に請求し、受領した。
・不正と認識しながら、ヘルパーの運転で利用者を病院へ移送したにもかかわらず、公共交通機関を利用して通院介助したと記録して、介護給付費を不正に請求し、受領した。
●虚偽報告
・障害者自立支援法の規定による報告に関して、事実と異なる帳簿書類等(社員名簿、雇用契約書、賃金台帳及びサービス提供記録等)を提出し、サービスを提供したとする虚偽の報告を行った。
■指定取消までの経緯
【障害者自立支援法に基づく指導監査など】
・2011年2月、匿名で郵便による不正請求疑義の通報(事業者名の記載無し)
・2011年3月 匿名でホームページへの通報(事業者名の記載あり)
・2011年7月より 監査実施2回 行政手続法に基づく聴聞の実施
■取材協力:
岡山県障害者福祉課障害者自立支援班 086-226-7345
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