11月27日、日本介護協会は第1回介護甲子園を日比谷公会堂で開催した。
この催しは、離職率の高い介護業界に働く人たちに喜びとやりがいを見出してもらい、また今後介護業界を目指す人に夢を抱いてもらうために企画された。
7月の締切までに北海道から沖縄まで135の事業所からエントリーがあり、書類選考による1次予選で30事業所に絞り、その後1分間の動画を含むプレゼンテーションによる熾烈な2次予選を経て、この日プレゼンを行う5事業所が選ばれた。
最終予選に残ったのは、特別養護老人ホーム 練馬キングス・ガーデン(東京)、介護療養型施設 いいだクリニック(鹿児島県)、グループホームなも(愛知県)、訪問リハビリテーション いいだクリニック(鹿児島県)、特別養護老人ホーム 扇の森(埼玉県)の5事業所。
決勝に残った5事業所は、いずれも多忙な日常業務の中から時間を割いてプレゼン原稿の作成やリハーサルを繰り返し、当日の決勝に臨んだ。なかには紹介されるエピソードで実際に担当した介護職員が、涙をこらえつつ発表する姿もあり、最後には夢をかなえた利用者様が実際にステージに登場するという感動的なシーンも展開された。
どの事業者も、「利用者さん、入居者さんの笑顔を見たい」その一心で困難に立ち向かい、またよりよい事業所にするべく職員同士知恵を絞り前向きに取り組む様子は、介護業界の未来が明るいものであることを伝えていた。
主催した日本介護協会の左敬真理事長が「介護の現場には感動できるストーリーがたくさんある、やりがいある職場だということを発信していきたい」と語るとおり、今回のテーマである「共に学び、共に成長し、共に克つ」を実現した事業所は、いずれも介護が魅力的な仕事であることを伝えていた。
発表後、会場の参加者自らが、最も学びを得られ、気づきが多かった事業者を選び、コインで投票。栄えある第1回介護甲子園の最優秀賞は、「もう一度生まれ故郷に帰りたい、音信不通の妹に会いたい」という入居者様の夢をかなえた特別養護老人ホーム 練馬キングス・ガーデン(東京)が受賞した。
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