株式会社日本介護福祉グループは、7月22日、あらたにサービス付き高齢者向け住宅事業に参入すると発表した。
この高齢者向け住宅事業は「結笑(ゆえ)」のサービス名称で展開し、今年中には用地取得と着工準備にかかる。そして2012年春から順次関東近郊に開設し、2012年中に5棟を開設する予定だ。
厚生労働省の発表によると、特別養護老人ホームの入所待機者数は全国で40万人を超えているという。厚生労働省は昨年の夏より、高齢者が日中に通う、介護保険のデイサービスについて、利用時間を延長し、宿泊も可能にする制度化に向けて、議論を始めている。しかし、かかる「宿泊付きデイサービス」が特別養護老人ホームに入所できるまでの仮の住まいとしての利用や、介護者が入院するなどの複雑な事情が重なり、宿泊が長期化する傾向が高まり、新たな課題が浮き彫りになっている。
日本介護福祉グループは、これまで、民家を有効活用する形態で小規模デイサービス「茶話本舗」を全国で展開してきた。現在では37都道府県、420事業所においてサービスを提供している。同社は、「茶話本舗」を運営する中で、高齢者住宅の不足、特に低所得者向けの施設不足の事実を重大視し、このたびサービス付き高齢者向け住宅事業に参入することにした。
サービス付き高齢者向け住宅事業「結笑」の運営方針は、いかなる地域においても安価で良質なサービスを提供することを目指している。具体的には、木造建てで1棟20〜30室の小規模少人数、かつ利用料が月額10万円程度(家賃・管理費・食費・サービス費込みの金額設定。なお、実費となる水道光熱費及び介護保険サービス1割負担を含め15万円以内の料金設定を想定)と安価に設定する。体験入居も3カ月まで利用可能にするという。
■入居対象者:要介護認定を受けている高齢者を主たる利用層とし、割安でかつ良質なサービスを求め、医療連携体制の充実など在宅でのターミナル介護を迎えたいとの意向が強い高齢者
■サービス内容:
●基本サービス
・住宅賃貸(住居の提供)
・生活支援サービス(24時間見守り、管理人常駐あるいはオンコール、生活相談)
・訪問介護(ホームヘルパーによる24時間在宅支援)
・居宅介護(ケアマネージャーによるケアプラン作成)
●物件によるオプションサービス
・通所介護(茶話本舗モデルによる通所型サービス提供)
・訪問看護(看護師による医療支援・在宅医療支援)
・クリニック併設
・保育所併設
●サービスモデル
・「結笑の葉」:住宅/居宅介護/訪問介護
・「結笑の実」:住宅/居宅介護/訪問介護/デイサービス
・「結笑の樹」:住宅/居宅介護/訪問介護/デイサービス/訪問看護/クリニック
■問合せ:日本介護福祉グループ TEL03-5625-4456
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