東京都は、都内の訪問看護ステーションを対象に、人工呼吸器使用者の停電への備えに関する調査結果を行い、その結果を公表した。
調査は、都内の550か所の訪問看護ステーションを対象に行われ、442か所から回答を得た。回答率は、80.4%。
人工呼吸器使用者の内訳(利用している制度別)は、難病医療費助成制度利用者(=難病患者)が最も多く、49.8%だった。続いて、身体障害者手帳が45.1%、介護保険が32.2%(複数回答)。
人工呼吸器を24時間使用しているのは全体の46.6%と約半数に及び、特に、難病患者では65.2%と過半数を占めていた。
また、内部バッテリーのない人工呼吸器を使用している人は34.8%。24時間使用している人のなかでも、11.6%は内部バッテリーがなかった。この場合、停電と同時に呼吸器が停止するため、対応策が必要である。
一方、外部バッテリーを保有しているのは、43.2%のみ。24時間呼吸器を使用している人に限っても、外部バッテリーなしが23.0%あった。さてに、外部バッテリーの充電などに使う発電機を持っているのは、11.1%のみ。
電源がなくなったときに必要な足踏み式などの吸引機をもっているのは12.1%のみにとどまった。
報告書では、「人工呼吸器使用者の停電等への備えは十分とは言えなかった」と指摘。特に、24時間人工呼吸器を使用することが多い難病患者について、停電・災害時の対応が必要と、促した。
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