特養、東京都独自基準案をまとめる――都の特養あり方検討会レポ1

東京都は、4月21日、東京都特別養護老人ホーム施設整備等のあり方に関する検討委員会を開催し、「平成22年度のまとめ」(案)について話し合うとともに、今後の検討会の進め方について意見を交わした。

東京都福祉保健局高齢社会対策部施設支援課が提示した、まとめ案は、以下のような構成になっていた。

○はじめに
○第1 地方分権にかかる都道府県独自の基準の制定について
○第2 大都市東京の特性
○第3 東京都独自に緩和する基準
    ・廊下幅
    ・特別避難階段設置についての緩和
    ・ユニットの定員
    ・ユニット内の通り抜け
    ・居室定員
○第4 廊下幅についての基準の特例
○第5 既存の従来型施設がユニット型に近づけるための方向性
    ・グループケアの実施しやすいハード
    ・プライバシーなどを尊重したハード
○第6 委員その他意見

まず、「はじめに」では、都内の特養の定員36,460人(2011年3月現在)に対し、利用申込者は43,746人(2009年8月現在)という状況のなか、「ユニット型を基本としながら、低所得の高齢者が利用できる特別養護老人ホームの整備を促進」するという方向性を明記。

2009年度からは既存施設の増改築や改修の場合にも、施設整備費補助の対象としてきたこと、2010年度から2014年度までの時限的取り扱いとして、新たに特養を創設する際も、定員の3割を上限に従来型の整備に対しても補助対象としていることを説明した。

また、「第3」の東京都独自に緩和する基準については、次のようにまとめられた。

○廊下幅【ユニット型・従来型】
廊下の幅は、1.5メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、1.8メートル以上とすること。

○特別避難階段設置についての緩和【ユニット型・従来型】
避難に支障がないように屋内、屋外の避難階段を設ける。
一 居室が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段、およびエレベーターをそれぞれ1以上設けること。
二 居室が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように屋内、および屋外の避難階段をそれぞれ設けること。なお、前記一の直通階段を避難階段とすることは、可能。
三 2階以上の居室には、車いすもしくはストレッチャーで通行するために必要な幅を有するバルコニーを設置すること。

○ユニットの定員【ユニット型】
居室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けること。ただし、1ユニットの入居定員は、12人以下としなければならない。

○ユニット内の通り抜け【ユニット型】
他のユニットの入居者が、当該共同生活室を通過することなく、施設内の他の場所に移動することができるようになっていること。ただし、建物および土地の形状の制約がある場合は、この限りではない。

○居室定員【従来型】
居室の定員は4人以下とする。ただし、定員が2人以上のときについては、入居者のプライバシーに配慮するとともに、容易に個室に転換できるような設計上の工夫に努めること。

このほか、既存の従来型施設をユニット型に近づけるための方向性に関しては、グループケアを実施しやすいハードという点では「食堂の分散配置」、「トイレの分散配置」、「個別ケアを想定した浴室の配置」の3点、また、プライバシーなどを尊重したハードという点では、「個室的空間の確保」、「仕切った後の空間の広さへの配慮」という2点が挙げられた。

――レポート2へ続く

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