国民生活センターは、社会的に信用のある機関を名乗り、消費者を安心させた上で契約をさせる訪問販売の手口の中で、今回は「シルバー人材センター」を名乗った庭木のせん定のトラブルについて、ホームページで注意を呼びかけている。
相談は九州・沖縄地域在住の80歳台の女性から寄せられたもので、内容は以下のようなもの。
庭掃除をしていたら、シルバー人材センターを名乗る男性が、「木のせん定をするけど、どうか」と勧誘してきた。庭の垣根と2本の木をせん定後、1万円を請求され、その場で支払った。「後でゴミを片付けに来る」と言って帰ったきり来ないので、シルバー人材センターに問い合わせたところ、全く関係のない人物だった。自分でせん定バサミも持ってないなどおかしい点はあったが、シルバー人材センターの人だというので信用してしまった。せん定の仕上がりも満足のいくものではないし、領収書や契約書もない。
通常、訪問販売で契約した場合、制度としてはクーリング・オフがあるが、今回の場合は連絡先が分からず、実質的に被害の回復が困難な状況だという。
シルバー人材センターでは、通常、電話で依頼を受け、見積もった上で契約を結ぶもので、飛び込みで勧誘することはなく、支払方法は金融機関の口座への振込みで、作業員と直接現金のやり取りをすることは基本的にはない。そのため、万一、同様に「シルバー人材センター」の名前をかたって勧誘があった場合は、その場で契約や支払いをすることは避けるよう呼びかけている。