日本マクドナルドホールディングスは、ハンバーガーなどの店舗メニューを、外出機会の少ない高齢者や子育てに追われる主婦へ宅配するサービスを開始する。原則24時間、ソフトクリームを除く全店舗メニューを自宅へ届ける。
第1号店として12月20日に宅配サービスを開始するのは、東京・世田谷区の「用賀インター店」。以降、売上や人件費など採算性を見ながら、2011年4月までに都内で最大10店舗の拡大を目指す。バイクでの配達エリアは、距離や時間は定めていないが、店舗の近隣住宅を中心にコールセンターで注文を受け付け、高齢者など来店機会の少ない顧客層の取り込みをねらう。
料金については、まだ詳細が決定しておらず、配達チャージを別途徴収するか、メニュー単価に上乗せするかなどを検討中で、店舗ごとに対応が分かれる可能性もあるという。
同社マーケティング部は「40年間のマクドナルドの歴史でも宅配サービスは初の試みで、かなりのチャレンジ。(日用品のデリバリーと違って)食べ物なので、店舗の“おいしさ”のクオリティを保ちつつお客様に届けることに腐心したい」と意気込みを語った。
現在、嚥下機能や栄養成分に配慮した配食サービスは市場にあふれている。一方、今後は団塊世代を中心に、孫との交流などでファーストフーズに違和感のない“次世代高齢者”の激増が見込まれる。今後、「ビッグなマック」が知名度を武器に全国に宅配事業を拡大すれば、介護業界の配食サービスにとって大きな脅威となるやもしれない。
■取材協力
・日本マクドナルドホールディングス株式会社マーケティング部