老化の兆しをキャッチ
親にいつまでも元気でいてほしいと願うのは子どもとして当然ですが、老いは年齢とともに確実に進みます。食事の変化、聴力の低下など老化の兆しを見逃さず、早めに対策することが健康な高齢期を長く保つカギです。
栄養の改善や運動を心がけたり、介護予防のプログラムに参加することは、高齢者のQOL(生活の質)を高める効果があります。
老化によるからだの変化
■食事に変化が見られる
食事量が減る、かむ力・飲み込む力が弱まる、お箸や食器をうまく持てないなど、食事の変化は、体力の低下や嚥下障害につながります。
普段からよく観察し、体重が減少していないかも気を配って。また、義歯を入れている場合、定期的な調整が必要です。
■耳が遠くなる
老化にともない、聴力は低下します。耳が遠くなると、身近な危険に気づきにくくなったり、会話に加われず引きこもりになることも。相手の言うことを聞き返す、テレビの音が大きくなった、などの兆候をキャッチし補聴器などの手当ても考えましょう。
■トイレ・排泄の変化
骨盤まわりの筋力が低下して失禁しやすくなったり、認知症が原因でトイレの場所がわからなくなるなど、トイレ・排泄の変化は、老化の重要な兆候です。また、高血圧や心不全、糖尿病などが原因で夜中のトイレの回数が増えるなど、疾患が潜んでいることもあります。
■転びやすくなる
敷居など段差につまづいたり、浴槽をまたぐのに苦労したり、足腰が弱くなると室内で転倒する危険が高まります。
また、一度でも骨折を経験すると、転倒をこわがって外出を避けるようになることも。転倒→骨折→寝たきりとならないよう、筋力低下を防ぐことが必要です。
介護予防で老化に歯止めを
■代表的な介護予防プログラム
・転倒・骨折予防
転倒や骨折につながる筋力や関節の機能低下を予防するため、ストレッチや有酸素運動などの運動を行います。
・筋力トレーニング
トレーニングマシンを使い、体の筋力や持久力、柔軟性を高めます。足腰の弱ってきた人、活動的な毎日を送りたい人に効果があります。
・栄養教室
低栄養や偏った食事は、体力が低下する原因になります。老年期の栄養指導や食事のアドバイスを行います。
・咀嚼・嚥下指導
かむ・飲み込むなどの食べる機能の強化や、口の中を清潔に保つ方法を指導します。
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