今は大丈夫でも、5年後、10年後は?
高齢者で介護が必要な人の割合は、70代前半では6%程度ですが、70代後半になると10%を越え、80代前半では30%近くに、80代後半では50%以上というように、加齢とともに確実に増加します。
遅くても親が70代に入ったら、5年後、10年後を見えて介護の心積もりをしておきましょう。
将来の介護のために、準備しておくこと
■役割分担を考えておく
介護は、特定の人に比重がかからないよう、家族みんなで協力して当たることが大切です。役割分担を決めてひとつのチームとして動くなど、それぞれの家庭に合った方法を考えておきましょう。
■介護保険に関心をもつ
介護保険制度は2000年にスタートし、2005年・2008年に改正を行っています。2005年の改正では、介護予防サービスや地域密着サービスの設立、2008年の改正では認知症ケアの推進などが盛り込まれています。
いざというとき、サービスを十分に活用できるよう、日ごろから介護保険についてアンテナを働かせておきましょう。
■近所・町内会の協力をあおぐ
認知症で徘徊が始まり、迷子になったり、体が不自由になり、火災や地震の際に助けを求めるなど、介護が必要な家族がいると、周囲に協力を求めることが増えます。ふだん離れて暮らしていても、親元に顔を出すときは近所に欠かさずあいさつし、協力を頼める環境づくりをしましょう。
地域によっては、町内会や民生委員などが協力し、高齢者を見守る活動に取り組んでいるところもあります。
■“エンディング”を考える
いざというとき、経済的な備えはあるのか、延命治療や葬儀をどうするか、家族に何を伝えておきたいか。人生のエンディングを考えておくことは、本人にとっても残される家族にとっても大切なことです。
財産や身じまいの手順など、元気なうちに本人と家族で話し合い、備えておきましょう。“最期”を考えるきっかけづくりに役立つ「エンディングノート」なども市販されています。
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