季節のコラム高齢者が心がけたい交通安全対策
春の陽気に誘われて、外出する機会が増える季節。けれども、歩行中に事故にあう高齢者は少なくありません。
高齢者の交通事故の特徴として、歩行中や自転車に乗車中の事故が多い、自宅付近(500m以内)で発生することが多い、夕暮れ時に多い、といった傾向があります。交通事故を防ぐためのポイントをおさらいしておきましょう。
道路を歩くときは必ず歩道を歩き、歩道がないところでは道路の右側を歩くのが基本です。近所の歩き慣れた道でも油断せず、クルマや自転車に十分注意を払いましょう。
道路を渡るときは、遠回りでも信号機のある場所や横断歩道を渡りましょう。高齢者は加齢とともに歩行スピードが落ちるため、青信号のうちに道路を渡り切れないこともあります。歩行速度が遅い人は、渡ろうとした信号が青でも、次の青信号まで1回待つのが得策。信号が青になった瞬間から渡り始めれば、時間に余裕ができます。
ひとりで歩くことはできるけれど、足腰が弱って長く歩くと疲れてしまう人は、シルバーカー(高齢者用手押し車)を使うのも一案です。シルバーカーを押しながら歩くと歩行速度が上がったとの報告もあります。ただし、タイヤが細いと踏切のレールにはまりやすいので、太いものを選ぶのがお勧めです。
早朝や夕方、夜間の外出時は、クルマからも目につきやすい、明るい色の上着を着ましょう。反射材を帽子や上着、カバンなどに付けるのもお勧め。反射材は100円ショップやホームセンターなどで購入でき、シールやたすき、キーホルダーなど、さまざまなタイプがあります。反射材を着用することで、クルマの運転者に自分の存在を早く知らせることができます。しっかり交通安全対策を講じて、散歩や外出を楽しみましょう。
コラム ~事故を防ぐ自転車の乗り方~
高齢者の自転車事故の原因で多いのは、ハンドルの操作ミス。高齢者は視力や判断力、バランス感覚などが低下し、ハンドル操作を誤って転倒や衝突事故を起こしやすくなります。事故を防ぐには、乗りやすい自転車(軽量で重心が低いもの)を選び、前カゴに荷物を入れ過ぎないこと、交通ルールを守り、周囲に注意を払いながら運転することが大事です。早朝や夕方以降は必ずライトを点灯しましょう。また、道路交通法の改正により、2023年4月1日からすべての自転車運転者に対してヘルメットの着用が努力義務となります。自転車の死亡事故の約6割は、頭部のケガが原因。命に関わる頭部のケガを防ぐため、ヘルメットを着用しましょう。