季節のコラム夏バテ予防に、生活リズムの見直しを
夏真っ盛りのこの時季、熱中症と併せて気をつけたいのが、夏バテです。夏バテの代表的な症状は、全身のだるさと疲労感。胃腸の不調や食欲不振、不眠、肩こりや腰痛などの不調が続くこともあります。高齢者は若い人に比べて体力が落ちているので、回復にも時間がかかり、持病の悪化やフレイル(虚弱)を招いてしまうこともあるので、早めの対策が重要です。
夏バテを防ぐには、「栄養バランスのとれた食事」「質のよい睡眠」「規則正しい生活と適度な運動」が大事。食事では、疲労回復や体の修復に欠かせないたんぱく質や、体の調子を整えるビタミン・ミネラルをしっかり取るよう心がけましょう。夏は食欲が減退し、素麺などさっぱりした食事に偏りがちですが、肉や魚、卵・乳製品、豆類、野菜・海藻類などを使ったおかずを追加することで、栄養バランスがグンとよくなります。
質のよい睡眠を確保するには、睡眠環境を整えることが大切です。夏の快眠に最適な室温は26~28度、湿度50~60%とされているので、クーラーや扇風機などを上手に活用して、寝室が理想的な室温・湿度に保たれるよう工夫しましょう。寝間着や寝具は、汗をかいてもすぐ乾くような、通気性のよいものを選びます。そして日中は、適度に体を動かして、なるべく活動的に過ごすこと。日中は活動し、夜はしっかり休息する規則正しい生活を送ることで、夏の疲れがたまりにくくなります。
コラム ~夏は「クーラー病」にも要注意~
「クーラー病」とは、冷房が効きすぎた室内にいたり、暑い屋外と寒い室内を何度も行き来しているうちに、自律神経の働きが乱れて体調を崩してしまうこと。手足の冷えや体のだるさ、頭痛、食欲不振、不眠などの症状が現れます。体温調節機能が衰えている高齢者はクーラー病になりやすいので、要注意。予防策としては、冷房の設定温度を下げ過ぎないこと(クーラーの設定温度は25~28度にして屋外と室内の気温差を5度以内にとどめる)。冷房の強い室内で過ごす場合は、薄手のカーディガンやひざかけなどを着用して体を冷やさないようにすることも効果的です。