いつまでも元気でいてもらうために高齢者の暮らしで気をつけたいこと

プロも驚く!福祉用具の専門家のスゴ技

杖や手すりといった福祉用具は、高齢者の日々の生活を直接支える大切なツールです。その専門家は、安全・安心を維持するため日々、知恵を絞り、工夫を凝らし続けています。このシリーズでは、同じ介護業界で働くプロ(ケアマネジャー)が、福祉用具の専門家の、ちょっとすごい取り組みや工夫を取材・紹介します!

取材した介護のプロ(ケアマネジャー)
松本崇久さん(社会福祉法人陵風会 居宅介護支援事業所みどりの丘 管理者、主任ケアマネ ジャー)
スゴ技を発揮した専門家(福祉用具専門相談員)
松﨑穣さん(ダスキン ヘルスレント北多摩ステーション店長)

ターミナル期の急変にも伴走し続ける「即応力」

会議を開く時間もない‥‥それでも「最期」まで対応した1週間

松本:昨年3月、一緒に担当したターミナル期のお客様のこと、覚えていますか。

松崎:もちろん、覚えていますよ。自宅で最期の時を迎えたいと強く望まれ、在宅での介護を選ばれた方でしたね。

松本:地域包括支援センターからの依頼で「自宅で過ごしたいと強く望まれているから」と連絡があり、対応をお願いした方でした。普通、病院から退院する際には専門家同士の話し合いの場が設けられるのですが、そんなことをしている時間もなかった。

松崎:専門家とお客様、ご家族が集まって会議を開く時間もなかったと記憶しています。

松本:そうでした。依頼もお客様の容態の変化も、あまりに急でした。それでも、松崎さんは嫌な顔一つせず対応してくれました。

松崎:本当に急激な容体の変化でした。ご自宅に戻られた日は、ご家族の介助と歩行器があれば、トイレには行ける状態だったのに、その翌々日には歩行器があっても移動が難しくなってきた、といったように。あれほど急激に容体が変わっていく方もまれでしょう。

松本:結局、お客様はご自宅に戻ってから1週間ほどで亡くなられましたが、その間、(松崎さんは)ほとんど毎日のように動いてくれました。

松崎:1週間で特殊寝台とその付属品のほか、歩行器、車いす、トイレフレーム、スロープ、手すりを導入したと記憶しています。

お客様への対応が、ご家族様の心も支えた

松崎:そういえば同居されている奥様も、あまりに変化が激しいことから、少し茫然とされているご様子でした。

松本:その点も不安材料の一つでしたが、早い対応で用具を調整・導入してくれたことが奥様の支えになったと思いますよ。

松崎:「今できることを安全にできるよう、用具を準備する」のが、私たちの業務です。この時も、まずはその業務を全うすることを意識し、対応しました。ただ、奥様が不安を抱えられていることもわかったので、できる限りその想いを傾聴し、できる範囲でアドバイスもさせていただくようには心がけていました。

支え、という意味では、松本さんも日参してお客様とご家族を支えられていましたよ。

松本:私の場合は、体調の変化があったら出向くという形で対応していましたが、松崎さんと毎日、情報共有していました。

とにもかくにも松崎さんが最後まで伴走してくれたおかげで、お客様とご家族は、かけがえのない1週間を過ごすことができたと思います。改めてお聞きしたいのですが、松崎さんがターミナル期の方と向き合う時、一番、大切にしていることは何でしょうか。

納得感がある提案力とスピード、そして細やかな配慮

松崎:なんといってもスピードです。それも「明日ではなく、連絡があったその日、そのタイミングで」という即日対応を大切にします。

人生で最期に残された時間くらいは、穏やかに快適に、そして安全に過ごしていただきたいじゃないですか。それを実現し続けるには、即日対応で臨むしかありません。

松本:確かに松崎さんをはじめとしたダスキンヘルスレントの皆様は、お客様が納得できる提案力とスピードを持ち合わせています。それに加えて、この件では、お客様が亡くなられてからも、細やかな配慮をしていただけたと記憶しています。

松崎:亡くなられたという連絡は、松本さんから入ったのですが、その時、「用具の引き上げのための連絡は、落ち着かれてからにさせていただきますね」と伝えさせていただいたと思います。

お客様が亡くなられた後のフォロー「最良のタイミングを見極めて」

松本:そうでした。ちなみに、実際に用具を引き上げに出向かれたのはいつだったのですか。

松崎:亡くなられてから2週間ほど経ってからからです。

松本:私もご遺族様のもとにお伺いするのは、同じくらいの日数を空けるようにしています。しばらくの間、ご遺族様は行政上の手続きなどで忙殺されますから。

松崎:そうですよね。ただ、私たちの立場では、まったく逆の対応をしなければならないこともあります。

松本:どういうケースですか。

松崎:ご家族やケアマネジャーさんから「葬式や納棺で用具が邪魔になる」と、連絡が来た場合です。その際は、即応します。自分が対応できないとしても、他のメンバーに依頼し、必ず即応しています。

松本:考えてみれば、お客様が生前に使っていた用具を引き上げるタイミングというのは、ご家族にも、わかりやすい「区切り」になりますよね。

松崎:そうなんですよ!だからこそ、ご家族にとって最良のタイミングはいつか、ということを最優先で対応しなければならないと肝に銘じています。

お客様の思わぬ発言から得た教訓

松本:別の件ですが、お客様を交えた会議で、びっくりするようなことを言われたことがありましたね。

松崎:「もう、介護ベッドはいらない」と言われてしまった、あの時のことですか。あれは、ヒヤリと させられました。

松本:お体の状態を考えれば、間違いなく必要だったのですが…。そこで、すぐに松崎さんに介護ベッドを導入した意義について説明していただきました。そして、その説明が適切だったため、今でもお客様はその介護ベッドを使い続けてくれています。

松崎:介護ベッドの機能については、導入時に詳細に説明していました。ただ、その機能がお客様にとってどのような意味があるのかの説明が不十分でした。また、実際に使えているかどうかの確認もできていませんでした。

そこで、改めて説明を求められた会議の場では、実際 にベッドを使ってみながら、それぞれの機能の意義について説明させていただきました。

松本:お客様の目線での説明ができていたことに加え、松崎さんの誠実さあふれる接遇が、良い結果につながったのだと思います。

松崎:ありがとうございます。この時、「お客様の様子を確認する際には『使えている』という前提に立って見るのではなく、『使えていないのではないか』という意識で臨むことこそが大切」と痛感させられました。

この教訓については、事業所のメンバーにも改めて周知徹底しました。具体的には、用具の動きを点検するだけでなく、お客様がどのように使っているかまで意識し、困っていることはないか、きちんと確認するよう再徹底したのです。

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