いつまでも元気でいてもらうために高齢者の暮らしで気をつけたいこと

プロも驚く!福祉用具の専門家のスゴ技

杖や手すりといった福祉用具は、高齢者の日々の生活を直接支える大切なツールです。その専門家は、安全・安心を維持するため日々、知恵を絞り、工夫を凝らし続けています。このシリーズでは、同じ介護業界で働くプロ(ケアマネジャー)が、福祉用具の専門家の、ちょっとすごい取り組みや工夫を取材・紹介します!

取材した介護のプロ(ケアマネジャー)
友田直子さん
(主任ケアマネジャー、金光病院指定居宅介護支援事業所)
スゴ技を発揮した専門家(福祉用具専門相談員)
佐藤和彦さん
ダスキン ヘルスレント倉敷ステーション副店長)

発注から2時間で介護ベッド納入完了!「神速対応」の舞台裏

「杖では介助者も共倒れに」-小さな歩行器を提案

友田:最近、病院から退院したばかりの高齢者が自宅で使う歩行器として、馬蹄型の歩行器を提案していただきました。

佐藤:「アルコー SKミニ」ですね。

友田:そうそう。その方は90歳代で要介護3の男性。入院によって体の機能が衰え、家でトイレに行くにも支えが必要な状態でした。当初、私は家の中の移動は、多点杖を用意し、奥様に支援してもらうことを想定していたのです。

ところが、その話を聞いた佐藤さんが「杖では介助する奥様まで一緒に転ぶ可能性があります。病院のリハビリで慣れているのなら馬蹄型の歩行器を使ってもらいましょう」と提案してくれたのです。

最初、話を聞いた時は無理だと思いました。その方の家は歩行器を使える広さがないように思ったからです。

佐藤:確かに、病院のリハビリで使われていたのは幅70センチほど、奥行きは100センチを超えるような、大型の歩行器がほとんどでした。

友田:それに比べれば、「アルコー SKミニ」は、ずいぶんと小さく、小回りも効くので驚きました。

佐藤:実際の大きさは、幅46センチ、奥行き51.1センチです。ご自宅の状況を考えても十分、使うことができると判断し、提案させていただきました。

小さな歩行器の提案を誰よりも喜んだのは…

友田:実際、問題なく使えていますよ。そして、この提案を誰よりも喜ばれたのは、その方の奥様でした。家の中でも歩行器を使えると聞いたとたん、「本当に?!よかった~」と、満面の笑みを浮かべられました。そして、以前よりも歩行がおぼつかなくなったご主人を介助するのが、実はとても怖かったとも打ち明けてくれました。「一緒に転んでしまったら、私まで介護が必要になるかなあ…って、不安だったのよ~」と。

この時、改めて佐藤さんが「共倒れ」のリスクを事前に予測してくれたことをありがたく思いました。それにしても、どうして「共倒れ」のリスクを事前に予測できたのですか。

佐藤:以前、同じようなケースで「共倒れ」してしまったケースを担当させていただいたことがありました。今回はその経験を生かし、提案させていただいたのです。

あえて踏み台を外す提案で、玄関の出入りをより安全に

友田:もう一つ、忘れられないのが小さな工夫で認知症の方の行動をより安全にしてくれたエピソードです。70歳代で要介護1の方でしたが、あまり足を高く持ち上げられなかったので、玄関に2つの手すりを付け、その間に踏み台を置いたのです。

ところが、せっかく踏み台を置いたのに全く使ってくれません。

佐藤:そうでしたね。手すりは片方だけ使ってくれていたけど、踏み台は外出時も帰宅時も使おうとなさらなかった。

友田:「両手で2つある手すりをつかみ、踏み台を使えば、より楽に、より安全に動けるはずなのに、なぜ、使わないんだろう??」が、私やご家族にとって長い間の謎でした。

ところが、この話を聞いた倉敷ステーションの担当者さんが「ならば踏み台をとってしまってはどうですか?」と提案されたのです。そうしたら…。

佐藤:両手で手すりをつかみ、より安全に出入りするようになったんですよね。

友田:そう!後でご家族に聞いたところ、その方は昔から上がりかまちに座って靴を履いたり脱いだりされていたそうです。安全のために置いた踏み台ですが、その方にしてみれば、昔からの習慣にはなじまない物だったわけです。

その人らしい生活を守るためには、より柔軟な発想が必要ということを、改めて学ばせていただきました。

「神速」を実現した「ニーズを踏まえた臨機応変さ」と「適切な依頼」

友田:もう一つ、とても驚いたのが、午後4時に発注した介護ベッドが午後6時に使う人のご自宅に届いていたこと!まさに「神速」対応でした。「どうしても退院する」というご利用者様への緊急対応が求められたケースでしたけど、どうやって、あんなに早く対応することができたのですか。

佐藤:たまたま、発注された条件に合致する在庫があったことが大きいですね。あとは「とにかく、今日中になんとかベッドがほしい」というご依頼でしたから、その日は介護ベッドを設置することだけに専念し、それ以外のものの設置は後日、対応する方針で臨みました。

友田:なるほど!使う人のニーズを踏まえた臨機応変さが「神速」を実現させたわけですね。

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