杖や介護用ベッドなどの福祉用具は、高齢者の体の一部ともいえる大切なツールです。そんなツールを扱うダスキンヘルスレントの各ステーションは、高齢者の生活を支えるプロが集う場所。いわば「ささえびと」たちの仕事場です。このシリーズでは、「ささえびと」たちにとって忘れられないご利用者とのエピソードを紹介していきます。
「ご利用者様は社会人」という意識を忘れずに
福祉用具に高い関心を持ち、さまざまな注文をされるご利用者様を担当させていただいたことがありました。「そんなところに置かれたら、せっかくの用具も使えないよ!」と、ご注意を頂戴したことも何度かあります。
その方が亡くなられた後、ご家族から次のような言葉をいただきました。
「あなたと接している時、お父さんは、仕事をしていた時に戻ったように元気だった」
「あなたにはいろいろと注文していたようだけど、その分、あなたのことは、とても高く評価していた。あなたと話をするのを楽しみしていました」
私たちのステーションでは、3年前から「顔が見える事業所への原点回帰」を掲げ、さまざまな取り組みを進めています。
例えば、専属のスタッフを配置することでモニタリングを強化しました。専属スタッフは、3カ月に一回はご利用者様宅を訪問し、機器類を点検し、使用状況を確認します。その際、「福祉用具のレンタル屋さんではなく、その方が自宅で生活する上でのすべての環境整備を担う」ことを心掛け、福祉用具の専門家の視点から、できる限りの提案を行うようにしています。
それからもう一つ、大切にしているのが、ご利用者様と接する際には対価を支払っていただいた「お客様」であり、「社会人」であるという敬意を持って接すること。当然、言葉遣いも丁寧語・敬語を徹底します。
そんな私たちの取り組みと意識が、亡くなられたご利用者様から認めていただけていたのかもしれません。「お客様」であるご利用者様への敬意がきちんと伝わっていたことを実感できた、うれしい瞬間でした。
- 話し手
- ダスキンヘルスレント・ 十勝ステーション
店長・真鍋正広さん