不便さのメリット

ここ数日、暖かい日が続き、桜の開花も間近とのこと、もうそんな季節となったのですね。
ポカポカ陽気に誘われて外出の機会も増えてきました。先日、息子の運転する車に乗った時のこと、窓を開けようと操作ボタンを探すと、なんとハンドル式。かなり年期の入った軽トラで、軽く触っただけではハンドルが動かず、力を入れて回し、ようやく窓を開けることができました。

最近は、ボタン一つでほとんどの機械操作ができますが、私が子供の頃はテレビチャンネルを切り替えるのにつまみを回していたことを思い出しました。まだ握力もなかったためか、力を入れてガチャガチャと回した覚えがあります。(たまに「チャンネルを回す」と言ってしまうのは、その時代の名残かと…)

今や全自動が主流の洗濯機も、一昔前は二層式でした。洗い終わると脱水機に移し、脱水が終わると洗濯漕に移す、繰り返しの作業が必要でした。寒い冬の時期は濡れた洗濯物に触るのが冷たくて嫌だなぁと感じたものでした。
更に時代を遡れば、タライで洗濯板を使っての洗濯です。さすがにその経験はありませんが、一枚一枚こすって汚れを落とす作業は重労働だったことでしょう。
ただ、こうした作業を日常行うことで、自然と手先や身体を動かす習慣ができていたのだと思います。手先を動かすことは、脳の活性化につながり、認知症の予防にもなると言われています。

先日訪れた山梨県甲府市で、地元の方に「この辺りのお年寄りはみな元気だよ」と聞きました。山梨県は桃の産地です。高齢になっても今なお現役で、桃を育てている方は多いそうです。
最近発表された健康寿命の都道府県別ランキングで、山梨県は男女共に上位にランクインされました。
(男性1位 73.12歳 女性3位 76.22歳 第11回健康日本21<第二次>推進専門委員会 資料より)
多くの手作業を伴う桃の栽培農家が多いことが、この結果につながる一つの要因になっているのかもしれませんね。

容易な操作で日常生活が行えるツールが増えることは、高齢者や障害のある方などにとっての自立につながるなど、メリットもたくさんあります。便利さを上手に利用しながらも、意識して手先や身体を動かすことが大切なことだと思います。

かくいう私も…春風の舞うこの時期は、ほこりもたまりやすくなります。たまには、掃除機のみでならず、床の雑巾がけに精を出そうかと思いながらも……
未だ実行できずにいる今日この頃です。

S ・ Y
介護相談員、ケアマネジャー、介護福祉士。 皆様のお気持ちが少しでも軽くなる、そんなお手伝いができればと思っています。
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