今年も2月半ば、少しずつ暖かくなってきましたが、まだまだ寒い日も多いです。
3月になれば、もう少し、ホッとできるのでしょうが…
3月といえば春闘など賃上げに関するニュースが多くなり、労働者にとっては気がかりな季節となります。今年は期待できるのでしょうか?
それとは別に、今年の4月からは有期契約労働者に「無期転換ルール」が適用となるので、有期契約労働者にとっては賃上げどころではないかもしれません。
有期労働契約とは、労働契約に期限が設けられているもので、パートタイマーやアルバイトなどと呼ばれている方の契約です。いわゆる正社員の契約には期限が設けられていませんので、無期労働契約となります。有期労働契約の場合、例えば1年の契約終了後、その会社で働きたいと思っても更新されるか否かは会社次第であり、とても不安定な地位に置かれます。
そこで登場するのが、「無期転換ルール」。
これは、ある程度の年数勤めた方の希望があれば、労働者から「有期労働契約を無期への転換申し入れ」(無期労働契約にして下さい、ということ)ができる制度です。その条件は、以下の3つとなっています。
①使用する事業主が同一
②契約の更新回数が1回以上
③通算契約期間が5年を超えていること
③の「通算契約期間が5年を超えていること」の始まりが、2013年4月1日以降に有期労働契約を締結・更新した場合となっていますので、5年後つまり今年の4月1日より無期労働契約への転換申し入れが可能となります。
無期労働契約を希望する労働者にとっては有利な話です。ただし会社によっては、無期労働契約への転換を望まない場合も少なくないと考えられます。
それはパートタイマーの方が正社員より、「賃金が低い」・「仕事が少なくなった場合、契約更新をしなければいい」などの理由があるからです。
では、そのような会社はどうするのでしょうか?
5年を超えるような契約更新を、そもそもしない、ということが考えられます。
本来は労働者にとって有利と考えられるこの制度ですが、間違った使い方をすると労働者を苦しめてしまう結果となってしまいます。契約更新を年度単位で行っている会社もあり、3月31日が期限となります。
改正労働契約法のせいで、2018年3月末で職を失う人がいないことを祈ります。