11月に入り、急に寒さが増してきました。
こんな時はゆっくり温泉に入りたくなります。
温泉といえば、寒い時期に祖父母を連れて旅行に行ったことを思い出します。
私の祖父は91歳。祖母は89歳。この数年でめっきり二人とも足腰が弱くなってきました。旅行好き・お湯好きだった祖父母を連れて、元気なうちにまだまだ思い出を作ってもらいたい。と、三世帯での旅行を実行したことがありました。
場所は新潟県の温泉。お湯は柔らかく、部屋からは大きな川がきれいに見え、心休まる場所でした。
普段、足が弱くなった為に、温泉に行くことをあきらめていた祖父は、温泉付きのお部屋に心が躍ります。慣れていない場所でも母が入浴の手伝いをすることで、誰の目を気にすることなく、久しぶりの温泉、素晴らしい眺めに満面の笑みをみせてくれました。
あんなに大好きだった温泉。手伝いが必要になり、出かけることに遠慮していたんだな。と感じました。
そして、温泉での楽しみはなんといっても食事です。足腰は弱くなっても、食べることは大好きな祖父母。祖父の方は入れ歯もなく、食事に関しては現役です。「おいしい」「楽しい」といつもより夜更かしをしてみんなに少しずつ手伝ってもらいながら、この1日を心より幸せに感じているようでした。
年をとっても楽しみをもって生きていたい。その思いを胸に、祖母は地域の体操クラブで新情報に心を弾ませ、祖父は週に2回デイサービスに通い、お互い情報交換をしています。
「いつまでも若々しく。」元気で長生きの秘訣は、そんな気持ちが体や頭を動かしていることでしょうか。介護のサービスや、地域の事業も様々に増えてきている中、「自分の為に利用してみよう」という気持ちが大切なのかもしれません。
みんな少しずつ年をとり、家族のありかたも、日々変わっていきます。昔はちゃきちゃきだった祖父母も、今では遠慮しながらも、子・孫を頼りにしてくれています。
変わらないのは、家族でいつまでも仲良く、「お互いさま」という頼りにしあう気持ち。そんな風に改めて思った、初めての家族旅行でした。