前回に引き続き、年金の制度について触れてみたいと思います。と言っても、私自身には無関係であってほしい制度なのですが・・・・。
夫婦それぞれの将来受給できる年金額は同じではありません。例えば夫がサラリーマンで妻が専業主婦であった場合、夫は厚生年金と基礎年金を受給でき、妻は基礎年金のみの受給となります。
会社で働き収入を得てきたのは夫ですが、妻は子育てや家事さらに夫のサポート等の仕事をしてきたにもかかわらず、年金額に大きな違いが出ることを不公平に感じるのは当然のことでしょう。
専業主婦が離婚した場合の年金の低さが問題視されるようになり、これを解消するため平成16年に法改正が行われました。
■分割される年金
公的年金のうち厚生年金と旧共済年金です。国民年金、国民年金基金、また民間の生命保険会社の年金保険等は対象にはなりません。従って、配偶者がずっと自営業で国民年金のみに加入していた場合、分割される年金はありません。
■年金記録を分割する
年金分割は,年金保険料を納めてきた記録(年金記録)を分割する制度です。支給される年金自体を分け合うのではなく離婚後の夫婦それぞれが分割後の年金記録に従って年金の支給を受けることになります。婚姻届提出から離婚成立までの年金記録を分けることになりますが、事実婚でも分割可能な場合があります。
■期間は分割されない
年金分割を受けても受給資格を算定する期間は変更されません。少なくとも前回お伝えした、10年の加入期間が必要です。10年あれば少額だった年金額が増えることになります。逆に10年に満たなければ、記録が増えても年金は受給できません。
■種類
お互いの合意無く一人で手続きできるものと合意によるものとがあります。婚姻の開始や厚生年金等に加入していた時期等により異なりますので詳細はお問い合わせください。合意が必要ない場合、勝手に自分の厚生年金を最大半分取られてしまうこともあり得ますので、怖いですね。
■手続き
年金分割は自動的に分割される訳ではなく、手続きが必要です。年金事務所や街角の年金相談センター、各種共済組合などにお問い合わせください。
熟年離婚が増加しているようですので、皆様も気を付けてください。