
介護は生活を見るものです。一方で、健康と切り離せない、医療に近い領域だったりもします。
最近、精神保健指定医が大量に処分されるという事件が起こりました。
「介護」と「精神科」、繋がりがないと思われていませんか?
認知症を診てくれる先生は多くの場合精神科の医師です。
精神保健指定医という資格は患者さんを強制的に入院させることや、
ご自身を傷つけてしまう危険がある場合などに「身体拘束」することができる資格です。
日本では、警察の方が、証拠に基づき逮捕令状を持って、「身体拘束」や「隔離」することがあります。介護の世界では、虐待とみなされる行為です。
「診断」という医師の所見で人を拘束できる権利を持つという面において、
法律や憲法を超えた力であることが分かります。
そのような大きな力を持つ医療者が、不正に認定されていたという事実。
身近な出来事に感じられない方も多いかもしれせんが、「認知症」や「不眠症」など意外とお世話になっている方が多い「精神科」。
自身を守るとか、治療のためなどと「身体拘束」が必要なタイミングがあるかもしれません。一方でこの権利、悪用されたらどのようなことが起こるか考えてみてください。
遺産相続や家族間のトラブルから「身体拘束させよう」という意図に基づいた受診が起こったとしたら、不正に認定されていた医師は正しく判断することができたのでしょうか?
ご家族が、父が認知症で暴れます。人前ではおとなしくしていますが、家では大変です!
という訴えだけで、入院させられることも起こりうるということです。
ご家族様が密にコミュニケーションを図り、関係性を円滑に保っておくこと。
薬や治療によって、どんな効果や結果が出ているのか、しっかりと観察すること。
治療を必要とする方だけでなく、周囲の方の協力が非常に重要な時代になったことを
示す事件だったように感じます。




