介護の「距離感」

介護職員さんと一緒に研修することがあります。

その中で、お伝えすることは、「介護は特別ではない」ということです。

医療の現場で働いていると、人と物とが一緒に扱われていると感じる場面に出くわします。

「命が優先」・・・納得いかないにしても自分に言い聞かせることがあります。

でも、介護は生活そのものです。

一方、長い歴史の中で、これほどまでに少人数で多くの高齢者ケアしている時代は今までなかったのではないかと感じます。

拡大家族の中で1人、2人が病気を患っていたり、介護を必要としていたりすることがあっても、大きな建物に100人近い高齢者が生活し、介護する人の数は30人いるかいないか・・・。

この状況の中では、「介護する側」「される側」となってしまっても仕方がない構図かもしれません。

以前に、「閉じこもり予防」(認知症予防)のための事業を行ったことがありました。

住民すべての方にアンケートを取って、外出の頻度を聞きました。

地域で生活している65歳以上の方の70%が病院受診以外の外出をしていないという結果。
交通機関の発達していない地域では、「息子、娘が一生懸命働いているのに、遊びに連れてってなんてとても言えない。」外出頻度が下がる主な原因でした。

人とかかわることが少なくなると「物忘れ」が進みます。この言葉に地域の民生委員の方たちが、「他人事じゃない!」と立ち上がってくれました。

みんなで会を立ち上げ、レクリエーションを行う。内容もみんなで考え、予算もみんなでたて、送迎やこまごましたこともすべて、地域の皆さんが主導になって行ってくださいました。

紙飛行機を飛ばそう!

本当に面白いのか・・・。

あんなに白熱した、紙飛行機は初めて見ました。

おり方や角度、細かな調整を真剣にやっている参加者とボランティア

どちらが、ボランティアでどちらが参加者かわからなくなっていました。介護を必要とする人も、手伝って参加します。

送迎も地域の方が近隣の方に声をかけながら行ってくれました。

会が始まって、みんなの関係性ができたころ、村に嵐が来ました。停電になり、音信不通。陸の孤島になってしまった夜でした。

次の日、だれの指示もなく地域の方々が声を掛け合い、安否確認していました。

「大丈夫か?」「大丈夫。連絡くれるだろうと思ってたから怖くなかったよ。」そんなやり取りが、報告されてきました。

近しくても、わずらわしくない「距離感」

「専門職だから」「勉強してるんでしょ?」「できて当たりまえ、間違えると罰せられる。」こんな、評価や否定がそこにあると、この距離感は手に入らないように感じるんです。

気楽で、暖かい介護。作っていきたいものです。

K・K
介護相談員、看護師・保健師。 病気にならないために、その人がその人らしく生活できるようにをモットーに日々活動しています。
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