
保健師という仕事、世の中であまり知られていないように感じるのは私だけでしょうか?
医療の業界では唯一医師の指示を必要としない職種です。
仕事の内容は、健康管理や病気の予防のお手伝いをしますが、その方に必要なものをすべて提供するお仕事です。
なので、行政や病院、企業にいることもあります。
いただいたお題を達成するために何でもする職種。私にとってはそんなイメージです。
介護の相談をすることも、お子さんの相談をすることも、ワークライフバランスも・・・。
保健師は「医療費の削減」のために作られた職種で、医療を必要としない人たちを増やすこと。健康寿命を延ばすことが大きな役割です。
たくさんの人に知ってほしいと思ってはいても、働いている側がうまく説明できず、広まらないのかな?と思ったりします。
なんでこんな話・・・。
最近複雑な気持ちになる出来事がありました。
健康診断や、自己申告書で「心身ともに健康です」と申し出し、就職したその方。3か月の試用期間を終え、正社員として働き始めました。
1か月が過ぎたころ、人事に相談に来たのです。
彼は、妻が妊娠しましたと報告しました。
そして・・・妻が怖くて精神的に病んでいます。
病院に行って診断書をもらいました。
休職します。傷病手当をください。
傷病手当は、給与の2/3を1年6か月間受け取ることができる制度です。
病気でお困りの方が利用し、治療後復職すための制度です。
私たちは、お仕事をする際、「働く」という概念を持って仕事に取り組みます。
「働く」の語源は、傍をらくにする。人を楽にしたり、助けることを意味しています。
私たちは何かを提供することで、何かを得ます。
そのバランスが崩れると、調子を崩します。
こんなに働いているのに、誰も認めてくれない。何も仕事をしていないのに、住む場所も、食べるものも与えられる。このどちらも、人にとってストレスになるのです。
ずる休みしちゃった・・・でもなんかソワソワして落ち着かない。にこやかでいられない。
これって、自分で自分が何をしたのかわかっている証だったりします。
この方のお話しを聞いて、2つの考えが浮かびました。
1つは、ずる休みなんじゃない?
もう一つは、休まなければならないほどの状態になってしまったその人が、少しでも早く復職し、会社に貢献できるようにするために何ができるだろうか?もしくは、このような状態になる前に何ができただろうか?
企業で勤める保健師の主な役割は、検診をしたり、勤務形態を配慮した調整や相談に乗ることです。
今後はこの方のような方たちに、コミュニケーションの能力を高めてもらい、問題を解決する力を得てもらうこと。「働く」とはどういうことなのかという考えと、ご自身が素晴らしい能力を備えた存在であることを知ってもらい、その通りの結果を出してもらえるようにかかわることもお手伝いできたらいいなぁって思いました。
社会保障費が100兆円を超えています。
私たち一人ひとりは自分が思っているよりも、能力があり、タフだったりします。
ベンチに座って観戦する人ではなく、一緒にプレイする人をどう作るか、保健師にもできることがありそうです。




