高齢者の低栄養② 高齢者が低栄養に陥らないために

 私の知人の87歳になる高齢女性も貧しい食生活をしています。

もともと料理が好きではないし得意でもないことに加え、食材を単品で食べる傾向が。「味噌汁を具だくさんにしてみたら?」とアドバイスしても、「私は豆腐とわかめとかシンプルな味噌汁が好きなの」。彼女のように、食に対して自分なりのこだわりを持っている高齢者って多いですよね。

 手作り神話に縛られている高齢者もこだわりが強い人です。手作りのほうが栄養バランスがよいとは限りません。

 特に、体力・気力が低下する高齢者の場合は、料理をするためにキッチンに立ってもすぐ疲れてしまうし、独居の場合は自分のためだけに料理するので、手作りでも品数が少なくなりがちですが、それでも「料理は手作りでなければならない」という信念を崩さないため低栄養予備軍になってしまいます。こういうタイプは完璧主義の場合が多いので、ADLが低下して、例えば千切りがうまくできなくなったりすると気になってしまうケースもあるとか。

 管理栄養士によれば、こだわりの強い高齢者に栄養を摂ってもらうには、たくさんあるこだわりのうち、ひとつだけこだわりを捨ててもらうアプローチが大切だそうです。

 例えば、「せめて味噌汁だけは具だくさんに」という具合に。親子丼や中華丼、カレーライスなども、一度に複数の食材が摂れるのでオススメ。中華丼のようにとろみがあると、より食べやすいので食が進みます。また、今の世の中には、スーパーの惣菜、冷凍食品、レトルト食品など手軽に栄養を摂る方法がたくさんあるので、「一回食べてみて」と試食してもらうことも大切です。

M・F
介護相談員。 介護分野での執筆活動にも注力しています。 臨床美術という分野で、ご高齢者の心と体にアプローチしています。 みなさんの心に少しでもよりそい、お力になれればと思います。
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