
訪問介護の現場では、服薬介助など薬に関するサービスも多いものです。
飲み薬については、量や種類を間違ったり飲み忘れがあると病状への影響があるので、誰でも慎重になりますが、塗り薬については意外と基本的な知識がないまま対応していることが多いのではないでしょうか。
まず塗り薬の種類ですが、大きく3種類あり、それぞれ特徴も異なります。
軟膏は油分に薬の成分を混ぜて伸ばしたもので、べたつきありますが刺激が少ないのが特徴です。
クリームは、油分と薬の成分に乳化剤を加えているため、べたつきを抑えられ伸びがよい使用感です。ただし、乳化剤の影響により刺激が強いので、炎症や水泡ができているところに使用するのはNG。
ローションは液状なので、軟膏やクリームが塗りにくい部位(頭皮湿疹など)によく使われます。範囲が広いところにはスプレータイプを使うことも。ただし、アルコール分などが配合されていることもあり刺激が強いので、クリーム同様、炎症や水泡ができているところには使いません。
軟膏とクリームを塗る量はフィンガーチップユニット(FTU)を目安にします。チューブから薬を絞り出したときの人差し指の第一関節までの長さが1FTUで、この量は約0.5g。大人の手2枚分の面積に塗るのに適しています。ローションの場合は、手のひらに1円玉大を出すと約0.5gになります。
さて、最後に塗り方です。
例えば利用者の背中に薬を塗るとき、手のひらを上下動して塗っていませんか。実はこれは間違いなのです。
背中をよく観察すると全体的に横ジワになっていますよね。そのシワに沿って左右に手のひらを動かすと薬が広がりやすくなります。体のどの部位でも、皮膚のシワに沿って塗りましょう。




