
5年ほど前から始めた副業に対しては、やる気満々だし楽しく取り組んでいるのに、30年以上継続している本業に対しては、やる気は低下し集中力は続かず、楽しいという感覚も薄れています。生活の経済基盤を築いているのは本業ですし、ほとんどの時間を本業に費やしているため、毎日のように「なんてダメな私…」と自己嫌悪。
なぜこんなにも取り組む姿勢が違うのか自分なりに分析したところ、大きな違いは以下の二つ。
ひとつは、副業はお金を稼ぐためでもありますが、世のため人のためという社会貢献的な目的もあることです。一方本業は、仕事としては好きだけれど、食べていくためという大前提があり、世のため人のため意識はまったくありません。
もうひとつは、副業は複数の人々と直接コミュニケーションできる現場仕事であること。一方本業は人と向き合うことも多いけれど、ほとんどの時間、向き合っているのはパソコンです。この分析から私が導き出した結論は、「人は自分のためには生きられない」ということです。振り返ると、そのことになんとなく気付いたのは、娘が独立したころでした。娘が独立し住宅ローンの返済が終わったとたん、働く目的が失われてしまったのです。これは、生きる目的の喪失にもつながり精神的に路頭に迷います。
昨日、野口英世の生涯を描いたお芝居を観ました。
野口は、若いときから借金癖があり、借りまくっては踏み倒すのが当たり前。お金持ちから援助してもらった大金の渡米費用も、渡米前日に友人たちと豪遊してすべて使いきってしまうという体たらく。でも、彼を見捨てる人はいなかったのです。後に彼は「今まで多くの人たちに救われてきた。これからは自分が救う番だ」と、黄熱病撲滅のためにアフリカにわたり、そこで生涯を閉じます。
高齢者は、若輩者の私の何倍も生きる目的を見つけにくいでしょう。まして介護される側になると「助けられる」立場になるため負い目を感じる方もいるでしょう。でも、人間ってお互いさまですよね。これまでの人生で誰もが誰かに手を差し伸べてきたはず。助け助けられて、人生プラスマイナス0です。今のうちに世のため人のために、私も働きます。




