
新しいケア技術であるユマニチュードのことを書いていて、ふと思ったことがありました。
この技術は言葉の通じない外国人に対しても活用できるのではないでしょうか。
ユマニチュードは、ママと赤ちゃんとの見つめ合いや触れ合いのように、理屈ではない「絆」を大切にしたケア技術だからです。赤ちゃんは言葉の意味がわからない、でも、ママに見つめられ触れられれば安心し笑顔を見せます。それは外国人同士でも同じではないかと思うのです。
2020年に開催される東京オリンピックには、選手や観光客など多くの外国人が来日するでしょう。外国語が話せなくても、ユマニチュード精神があれば大丈夫(笑)。相手が外国人だからといって臆せず、しっかり目を見て、「日本にようこそ」という歓迎の意を表しながらコミュニケーションすれば、「あなたは大切なお客様」という気持ちは伝わるのではないでしょうか。外国人の中には高齢者や身体障害者もいるでしょう。旅先で具合が悪くなったり不便を感じるなどして、不安になったり困ったりしている人を助けることだってできるはずです。
今朝、たまたま電車の中でユマニチュード精神を発揮している熟年女性を見かけました。
ある駅で、アジア系の高齢外国人グループが乗り込んできて彼女の隣に座りました。しばらくすると彼女は白い紙で何かを作り始めたのです。出来上がったのは折り鶴でした。その鶴は外国人の手から手へと渡っていき、とても和やかな雰囲気に。この間、彼女はニコニコしているだけで一言も言葉を発しませんでした。そこには、わずかな時間ではあったけれど、理屈ではない「絆」がありました。




