父の付き添いも兼ねて、小笠原クルーズに行ってきました。
同行者は、私のほか私の娘と妹のダンナの4人。あれこれあってこんなメンバー構成になりました。乗船すると、予想通り高齢者ばかり。たぶん私の娘が最年少で、次に若いのが私かも(笑)。そして、時間とお金に余裕のある高齢者が多い中、もっとも貧乏なのが私たち親子(笑)。私たちから貧乏臭が漂っていたのか、お金持ちの高齢者は近づいてこなくて、親しくなったのは庶民の高齢者と、イベントやショーで客を楽しませてくれるマジシャンやパフォーマー。お金持ちだけでなく、いろんな人たちが乗っているのです。
でも、クルーズ船も世間と同じ格差社会。低層階は料金が安く、9階はデラックス、10階はスイートというヒエラルキーが。低層階の部屋にはシャワーのみ、9階と10階にはバスタブもあり、10階はなんとテラスつき。食事も10階の客には別室が用意されているのです。10階の部屋の前にルームサービスの皿が置いてあるのを見て「さすが10階」と、タダの飲み物だけをひたすら飲み続けた私たち親子は思ったのでした。
クルーズは、確かに贅沢な旅です。でも、乗船したら、自分では何の手続をすることもなく目的地に着くわけですから、足腰が弱い高齢者にとってはラクチンそのもの。実際、足に障害のある方やショッピングカートなしでは足元がおぼつかない方も乗船していました。親しくなったパフォーマーによれば、寝たきりの方も乗船していたし、車椅子利用者専用のバリアフリーの部屋もあるそうです。父島に上陸するときは、通船(渡し船)に乗り移らなければならないのですが、両サイドに父島の若い漁師さんたちがズラリと並んで、腕や体を支えてくれるので安心。父は足に自信がないので「迷惑をかけるから上陸はしない」と言っていたのですが、「大丈夫」と説得して上陸作戦に成功しました。
クルーズ中は、連日連夜いろんなイベントが目白押し。徹底的に客を楽しませてくれます。
「このまま乗っていたい」「こんな生活が続いたらダメ人間になる」と、クルーズ船のように心が揺れ動いた私たち親子でした。