
残暑が続いていますね。夏の猛暑は高齢者の大敵です。
毎年、熱中症で救急搬送される高齢者は後を絶ちません。高齢でなくても安心は禁物。
2年ほど前のこと、私の友人の弟が、ひとり暮らしをしていたマンションの自室で、熱中症で亡くなりました。まだ40代の若さでした。
彼は、毎晩、近所の実家に通い、母親と夕食を共にしていたのですが、前夜来なかった息子を心配して、母親が彼の部屋を訪ねたところ、すでに亡くなっていたとのこと。窓を閉め切っており、エアコンもついていなかったというのが、発見時の環境でした。
この環境は多くの高齢者にも共通していますよね。高齢者はそもそも体内の水分量が少ないのですが、感覚機能が低下しているため、のどの渇きに気づきにくく、暑さに対しても感覚が鈍くになっています。そのため水分を積極的に摂らず、窓も開けないしエアコンもつけない。高齢者、特にひとり暮らしの高齢者の介護に関わっている人は、まずは、熱中症を予防するための環境整備に配慮する必要があります。
高齢者の部屋に温湿度計を置き、本人にも室温と湿度を気にしてもらうようにしましょう。28℃を超えるほど熱中症のリスクが高まるので「28℃以上になったらエアコンをつけましょう」と具体的な数値を示すことがポイント。エアコンの風を嫌がる人の場合は、窓を開けて風通しをよくしたり扇風機を使いましょう。
室温だけでなく湿度にも要注意。室温が28℃を超えていなくても、湿度が75%になっていたら熱中症を起こす危険性が高まります。夏季の場合は、室内の湿度は50%以下を目安に。こまめに温湿度計で数値をチェックすることを習慣にするよう伝えておきましょう。




