
一人暮らしの高齢者が増加しており、この先さらに増えていくことが予想されます。
生活の質の低下、孤立、生活困窮高齢者の犯罪、消費生活トラブル、生きがいの喪失などが社会的な問題として浮上してきています。
先日、専門家にお話を聞いたとき、ひとり暮らしの高齢者が抱えるこれらのことは確かに社会的な問題だが、訪問介護に携わる者は、「問題」ではなく「課題」ととらえるべきではないかと話していました。
課題の改善・解決のためには、サービス時に体や心、生活の変化に気づくことが大切になってきます。ひとり暮らし高齢者の場合、ヘルパーは変化にもっとも気づきやすい立場にあります。新聞受けに新聞がたくさんたまっている。夜になっても室内の照明がつかないといったことは、新聞屋さんや近所の人でも気づけること。
ヘルパーは、もっと踏み込んだ観察ができるはずです。
たとえば、生活面。食事の支度を自分でしている高齢者なら、栄養のバランスのとれたちゃんとした食事をしているかどうか気になります。冷蔵庫の中を見てみるだけでなく、ゴミ箱やゴミ袋の中身のチェックを。カップラーメンの空きカップだらけなんてこともないとはいえません。転倒も、ひとり暮らしの高齢者は要注意。未然に防ぐために、つまずきそうな場所に物が置いてあったら片付けるといった気づきも重要です。
薬の管理にももっと配慮を。ヘルパーは、薬を準備して服薬の促しをするだけですから、本当に飲んだかどうかの確証はありません。徹底して薬の管理をしている施設では、薬を出した後のカラを確認しているそうです。訪問薬剤師を利用していない場合は、薬の管理にも目を配りましょう。
ひとり暮らし高齢者を消費生活トラブルから守るのもヘルパーだからこそできること。悪徳業者だけでなく、通販で同じ物を大量に買ってしまう認知症の人もいます。サービス時に室内を観察するようにしましょう。




