
人類の死亡率は残念ながら100%です。
高齢者と関わっていると、時々考えることがあります。どんな風に送ってあげられるだろうかと・・・。
私には忘れられない「死」がいくつかあります。
地域で保健師をしていた時に経験した「死」
閉じこもり予防(認知症予防)のために、住民さんのお家に訪問し、お薬が飲めているかどうか、健康相談や栄養相談を行っていました。
彼女は若いころに婦人部の役員をやるなど、活動的で、地域でも信頼を得る人でした。
心臓を患い、足を痛めてしまってから、外出の頻度は極端に減りました。ご自宅でお料理をすることも、膝の痛みを理由にしなくなりました。
私が訪問を繰り返し、3年が過ぎようとした頃、彼女はお墓参りに行きたいといいました。
外出をほとんどしたことのない彼女が、2時間半のドライブに耐えられるのか??
不安もあったけど、無理をしないという約束でご家族とお墓参りに出かけました。
もともと、ドライブが好きだったことも効を奏しその日をきっかけに、ご主人と車いすでお買い物に出かけたり、デイサービスを利用するようになったりしました。
そんなある日。彼女は胸が苦しいとご主人に訴えました。ご主人は無理にでも病院に連れて行こうとしましたが、彼女は息子の車じゃないと行かないと言い張りました。
1時間かけて息子さんが迎えに来て、病院に行きました。
車に乗ってすぐ、彼女は「暖かくなった。ありがとう。」とご主人の肩にもたれかかり、病院に向かいました。
病院についた時、彼女の息はありませんでした。
私は彼女らしい最期だと思いました。2回の手術に失敗し、病院に不信感があった彼女。
大好きなご主人の肩に抱かれて、大好きな息子さんが運転する大好きな車の中で最期を迎えた彼女。
私には彼女が決めたように思えてなりませんでした。
皆さんはどんなふうに生きたいですか?
大好きなご両親の最期がどんな風であってほしいですか?




