安全な外出介助のために1

 今朝、地下鉄の駅でエスカレーターに乗ろうとしたとき、ふと後ろを振り向くと、90度近く腰の曲がった高齢男性が、杖をつきながら時速1キロぐらいのスピードでゆっくりゆっくりエスカレーターに向かって歩いてきます。あまりに足元がおぼつかないし、高齢になるとエスカレーターに乗るタイミングを計るのが難しくなるので、彼が無事に乗るのを見届けなければ。うまく乗れずにいたら手助けしなければ。そう思い、乗り口横で見守ることにしました。
 待つこと3~4分、ようやく乗り口にたどり着いた彼。どうなるかと様子を見ていると、彼はそれまでのスピードを落とすことなく、何のたらいも見せずにすんなりと乗り込んだのです。「おっ、うまい!」と小声で称賛の声をあげてしまいました。
 彼の乗り方手順は、乗り口に着いたら、まず杖を前に出してつく。杖を着いたら、すかさずその下の段に右足を乗せ、すぐさま左足を乗せるというものでした。彼の後ろについて私も乗り込みましたが、降りるときもスムーズそのものでした。
 
 この高齢男性は危なげなくエスカレーターの乗り降りができましたが、タイミングがつかめない高齢者は多いものです。
 利用者がエスカレーターを利用するのは買い物同行や通院介助ですが、もし利用者がまごついていたら、転落防止のためにもこんな介助を。乗るときは、「はい」と声かけをし、ます利用者を乗せ、ヘルパーは利用者の後ろの段に乗ります。降りるときも、「はい」の合図で利用者を乗せ、すかさずヘルパーも並んで乗り、その後、ヘルパーは一段前に移動し利用者を見守りながら降ります。

 もちろん、今朝の高齢男性のように、緩慢な動作ながら、見事な足運び、杖運びができるのなら、ヘルパーの出る幕はありません。ただし、見守りだけはしっかりと。

M・F
介護相談員。 介護分野での執筆活動にも注力しています。 臨床美術という分野で、ご高齢者の心と体にアプローチしています。 みなさんの心に少しでもよりそい、お力になれればと思います。
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