
某シンクタンクの研究員と話をする機会がありました。
彼は、現在、親の介護をしていて、ケアプランも自分で作成するほど、介護に主体的に向き合っています。
最近、彼が発見したのは「育児と介護の共通点」だそうです。子どもは成長にともない「できること」が増えていき、高齢者は老化ととともに「できないこと」が増えていくというのが、一般的な考え方でしょう。でも、彼は「できないこと」ではなく「できること」に注目したとか。すると「○○もできる」「△△もできる」。
つまり、子どもと高齢者の「できる」という共通点にたどりついたというのです。要介護の母親に洗濯物をたたんでくれるように頼むと、母親は喜んで、その家事に取り組むそうです。「できること」は、本人に喜びをもたらすと同時に、家族の気持ちも前向きにします。子育ての心境に近いですよね。
物事は、ホントに考え方次第だと思います。
最近私が体験したのは、二人の高齢女性のペットボトルのキャップを開けることに対する反応の違いです。1人の女性は、あるときペットボトルのキャップを開けることができなくなり、老化の恐ろしさを実感したといいます。水が飲みたいのに開けられない。それは死の恐怖だと私に語りました。もうひとりの女性も、もちろん老化のせいで指に力が入らず、キャップを開けることができません。しかも1人暮らしです。でも、特に不便は感じないと言います。彼女がどうやって開けているかというと、ボトルのほうを手で握って回して、キャップを開けているのです。
発想の転換に「これぞ老人力」と感心しました。ちなみに、できないと、すぐに諦めて人に頼るのは、私の父(笑)。頼ってもいいけど、その前に自分でできる方法を考えてみてと言いたくなります。




