
「人に肌を見られるなんてとんでもない!」「お風呂は入っているから大丈夫」このような理由で、半年入浴していなかった方の家族からご依頼をいただいて看護をしています。
看護というと、医療処置が中心だと思われることが多いです。
でも、ナイチンゲールは自然治癒力を引き出すことが看護の仕事であり、そのためには環境整備が何より大切だといいました。
私たちは、処置をする前に関係性を作り、環境を整えることを大切にしています。
それは、環境がご本人の意欲や免疫力に影響していると考えるからです。
そんなこんなで、お手伝いするようになって半年が経過しました。
肌を見せることも嫌と言っていた彼女は体をふかせてくれるようになりました。
そのことでご家族からの信頼を得、新たに「手洗いや歯磨きを忘れているようだ」と、お手伝いの依頼をいただきました。
なんと、手洗いを促したらご本人が顔を洗いたいと言い出し、その後、「クリームはどこかしら?」「口紅はどこかしら?」と以前の生活を取り戻したのです。
認知症は薬で対処するもののように言われていますが、生活習慣やリズムをどのように取り戻すか、その方への声掛けやタイミングで変化をもたらすことができると感じました。




