育児から逃げてきた夫も、介護からは逃げられない

最近は、親を介護している息子が増えてきているそうです。でも、息子がどこまで主体的にやっているかとなると、はなはだ疑問が。

介護には気の遠くなるほど多様なやるべきことがあり、介護全体を把握していないと介護はうまく回りませんが、妻(嫁)と同じスタンスで介護に向き合っている夫は、果たしてどれくらいいるのでしょうか。

育児を例にとるとわかりやすいと思います。

例えば、パパが早く帰宅したら赤ちゃんをお風呂に入れるというケースはよくありますが、パパの場合は、まず自分が体を洗ってから「お~い、連れてきていいよ」と妻に声をかけ、妻が裸にした赤ちゃんを連れてくる。夫は赤ちゃんの体を洗ったら一緒にお風呂に浸かり、しばらくすると「お~い」とまた妻を呼び赤ちゃんを渡し、自分はひとりでゆっくり浸かって極楽、極楽。赤ちゃんを裸にする。体を洗う。湯船に浸かる。体を拭く。服を着せる。耳や鼻の掃除をする。これら一連の作業のすべてが「お風呂に入れる」ということですから、夫はその一部のおいしいところを担当しているだけ。

ママなら、自分が寒くて震えていても、裸のままで赤ちゃんに服を着せ、ろくに温まりもせずにお風呂からあがってくるというのにです。

介護も同じです。

「おむつ交換してる。食事介助してる。だから自分は介護をしている」なんて思っているとしたら大間違い。それは育児と同じように、介護をしているつもりになっているだけでしょう。そういう態度でいたら、夫婦間の溝は深まる一方。介護が終了したとき妻から三行半を叩きつけられても反論の余地なしですよ。

 若いパパだった頃は、育児のおいしいとこ取りだけして、本当の育児から逃げてきた、というより逃げることが可能だった夫も、自分の親の介護となると絶対に逃げられないのです。

共働きも一人っ子も多い時代ですしね。

主体的に介護に向き合うとはどういうことなのか、世の男性たちは真剣に考える必要があります。

M・F
介護相談員。 介護分野での執筆活動にも注力しています。 臨床美術という分野で、ご高齢者の心と体にアプローチしています。 みなさんの心に少しでもよりそい、お力になれればと思います。
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