
おじいちゃんやおばあちゃんって、目覚まし時計をセットしていないのに、どうして早起きなんだろうと、若いときは不思議でした。ところが、近頃、私も睡眠スタイルが高齢者に近づいてきた気がします。どんなに遅く就寝しても3時や4時に一度目が覚め、またすぐに夢の国。でも、睡眠は長く続かず、セットした目覚まし時計の時間より少し早めに目が覚めてしまうのです。ついに私も目覚まし時計いらずになりました。喜んでいいのか悪いのか…。
寝つきにくく、夜中に何度も目が覚める、朝早く起きてしまうというのが高齢者の睡眠の特徴ですが、睡眠障害の4大症状(入眠障害、中途覚醒障害、早朝覚醒、熟眠障害)のうち三つが同時に現れるわけです。これは、一言で言うと睡眠力が衰えているから。身体を成長させる必要がないため、睡眠中に分泌される成長ホルモンが減少しますし、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌も減るため、睡眠を維持できなくなるのです。
でも、高齢者でも睡眠の質を高めることはできます。大切なことは、まず運動。身体が疲労するので成長ホルモンがたくさん分泌され、睡眠が深くなります。メラトニンを増やすこともポイント。そのためには太陽の光を浴びるのが一番です。食生活では、メラトニンの原料である必須アミノ酸のトリプトファンが含まれている食品(大豆、肉、乳製品、バナナなど)を積極的に摂りましょう。また、夜になったら照明を落とすのもメラトニン分泌を促すのに効果的。
もうひとつ秘策があります。それは頭を使うこと。頭を使うと、睡眠中に記憶の整理が行われるため一定の睡眠時間を必要とし、結果的に睡眠を持続させることにつながります。日中、起きているときに、ぐっすり眠るための準備をしておくことが大切なんですね。




