
子育て支援と高齢者支援って似てるなぁと常日頃から感じています。先日も、それを実感する話を耳にしました。
うちの子はとっくの昔に大人になっているのですが、親の私はいまだに地域の子育て支援活動に関わっています。子育て支援といえば待機児童問題ですよね。その解消のため、最近は多くの自治体が保育園や学童クラブ等を増やす施策に取り組むようになっていますが、経営を民間企業に委託するケースがほとんどです。
先日、子育て支援関連の人たちと集まったとき、学童クラブの区の職員が嘆いていました。評価できる民間企業もあるにはあるが、多くは本当の子育て支援をしていないと。夜間預かるなど多様なサービスを提供することで、親は確かに安心して働けるでしょう。しかし、学童クラブを利用できるのは小学3年生まで(中野区の場合)。3年生の3月の終業式を迎えたときから、合いカギで玄関をあけ、親が帰宅するまで留守番することになるのです。
最近は、学童クラブから自宅で留守番への移行がうまくできない子どもが増えているとのこと。「子どもたちが先々スムーズに自立できるように、日頃から支援するのが学童クラブの職員。ところが、民間委託されている企業の職員は、そういう視点がなく、単に安心・安全を提供しているだけの場合が多い」だそうです。親も安心・安全だけを求めていて、子どもの自立には目が向いていないと彼女は力説していました。学童クラブでお世話になった者として、まったく同感!
介護は、ADLの維持、あるいは残存能力を引き出す自立支援、子どもの場合は、自立の芽をはぐくむ自立支援という違いはありますが、似てると思いませんか? 安心・安全の確保のために保護しすぎるのは、相手が子どもであっても高齢者であっても、自立精神をスポイルしてしまうのです。




